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胃がんの手術療法

[公開日] 2018.01.05[最終更新日] 2018.01.05

胃がんの手術療法

手術療法は大きく分けて縮小手術、定型手術、拡大手術の3種類があります。また、ステージI胃がんに適応のある腹腔鏡手術も含めると、一般的に言われる胃がんの手術療法は4種類になります。 どの手術療法が適応になるのかは、リンパ節転移の有無、他臓器への遠隔転移の有無を基準に選択されます。胃がんは進行期が早期であってもリンパ節に転移しやすいので、がんが発生している場所以外にも、転移やその可能性があるリンパ節を切除するリンパ節郭清(D1,D1+D2)が手術として行われます。 なお、D1とは胃の周辺領域にある領域リンパ節を切除し、D1+郭清とはD1に加えて胃に栄養を送る血管周囲のリンパ節領域の一部を切除し、D2郭清では領域にリンパ節すべてを切除します。 縮小手術とはリンパ節転移がなく、かつがんが粘膜下層までに留まっており、内視鏡治療が適応外の早期胃がんに対して行われます。縮小手術は胃の切除範囲も小さく、胃の機能を可能な限り温存することで術後のQOL向上を目指した術式です。 縮小手術は幽門保存胃切除術、噴門側胃切除術の2種類があり、以下の図に示したような術式です。 幽門保存胃切除術とは、胃の真ん中あたりに発生したがんに対して実施される手術です。胃の上部3分の1程度と幽門前庭部を3〜4センチ程度残して胃を切除し、残った胃と胃をつなぐ術式です。 噴門側胃切除術とは、噴門を含んだ胃の2分の1〜3分の1程度を切除し、幽門側に残った胃と食道をつなぐ、または食道と胃の間に約10センチの空腸を入れてつなぐ術式です。 定型手術とはリンパ節転移があり、D2郭清が必要とされる胃がんに対して行われます。定型手術は幽門側胃切除術、胃全摘切除術の2種類があり、以下の図に示したような術式です。 幽門側胃切除術、胃全摘切除術はリンパ節転移疑いのある早期胃がん、Ⅰb期、Ⅱ期、Ⅲ期胃がんに対して適応のある手術です。 幽門側胃切除術とは、がんの口寄りの端2〜5センチ以上噴門寄りの部分より幽門までの胃の3分の2以上を切除し、残った胃と十二指腸もしくは小腸をつなぐ術式です。 胃全摘手術とは、その名前の通り胃をすべて切除する術式です。胃切除術後、小腸を切離して食道までつなぎ合わせ、さらに十二指腸へと分泌されるすい液などの消化液が小腸に流れ込むように小腸に十二指腸側の小腸をつなぐ術式です。 拡大手術とは、ⅢB期、ⅢC期胃がんのように定型手術では切除しきれない範囲までがん細胞が広がっている患者に対して適応のある手術です。 拡大手術は胃だけでなく膵臓、脾臓、大腸などの他臓器を一緒に切除したり、 D2を超えるリンパ節郭清を行うため安全に実施できる病院は限られています。
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