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切除不能局所進行尿路上皮がんに対するカボメティクス+テセントリク、良好な抗腫瘍効果を示す Journal of Clinical Oncologyより
[公開日] 2025.03.10[最終更新日] 2025.03.04
この記事の3つのポイント
・切除不能局所進行尿路上皮がんを対象とした第1b相COSMIC-021試験
・マルチキナーゼ阻害薬カボメティクス+抗PD-L1抗体薬テセントリク併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法による良好な効果と安全性プロファイルを示す
2024年02月18日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、切除不能局所進行尿路上皮がんに対するマルチキナーゼ阻害薬カボメティクス(一般名:カボザンチニブ)+抗PD-L1抗体薬テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第1b相COSMIC-021試験(NCT03170960)の結果がCity of Hope Comprehensive Cancer CenterのSumanta K. Pal氏らにより公表された。
本試験は、切除不能な局所進行性または転移性尿路上皮がん患者に対して、3週を1サイクルとして1日1回カボメティクス40mg経口投与+3週間に1回テセントリク1200mg静脈投与を実施し、主要評価項目としてRECISTv1.1に基づく評価による6週間毎12ヶ月間の客観的奏効率(ORR)、その後は12週間毎のORR、副次評価項目として安全性、無増悪生存期間(PFS)等を評価した試験である。患者は第一選択治療としてシスプラチン適応群、シスプラチン非適応群、プラチナ製剤を含む化学療法の治療歴を有する群、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)の治療歴を有する群の4つのコホートに分けて登録された。
2018年3月から2021年11月までに合計121人の患者(ICI既治療群31人、その他の群30人)が登録された。主要評価項目であるORRは、シスプラチン適応群で30%(95%信頼区間:15-49%)、シスプラチン非適応群で20%(95%信頼区間:8-39%)、化学療法既治療群で27%(95%信頼区間:12-46%)、ICI既治療群で10%(95%信頼区間:2-26%)を示した。
副次評価項目であるPFSの中央値は、シスプラチン適応群で5.5ヵ月(95%信頼区間:1.6-11.6ヶ月)、シスプラチン非適応群で5.6ヵ月(95%信頼区間:3.1-11.1ヶ月)、化学療法既治療群で5.4ヵ月(95%信頼区間:1.6-7.6ヶ月)、ICI既治療群で3.0ヵ月(95%信頼区間:1.8-5.5ヶ月)を示した。
一方の安全性として、グレード3/4の治療関連有害事象(TRAE)発症率はそれぞれ43%、67%、57%、45%で確認され、治療中止に至った症例は各群でそれぞれ17%、13%、3%、19%を示した。なお、いずれの群においてもグレード5のTRAEは報告されなかった。
以上の結果よりSumanta K. Pal氏らは、「切除不能局所進行尿路上皮がんに対するカボメティクス+テセントリクは、シスプラチンの適応の可否や化学療法治療歴にかかわらず良好な効果を示しました。またICI治療歴がある場合は、少し効果が弱い傾向があるものの、一定の効果が認められました」と結論付けた。
参照元:
COSMIC-021 Phase Ib Study of Cabozantinib Plus Atezolizumab: Results from the Locally Advanced or Metastatic Urothelial Carcinoma Cohorts(Journal of Clinical Oncology 2025 Doi:10.1200/JCO-24-01675)ニュース
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