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早期乳がんに対する初回外科的治療としての乳房温存療法と乳房全切除術の比較 Annals of Surgical Oncologyより

[公開日] 2025.08.29[最終更新日] 2025.08.27

2025年8月11日、医学誌『Annals of Surgical Oncology』にて、早期乳がんに対する初回外科手術戦略として、乳房温存療法と乳房全切除術の生存転帰を比較した研究結果が、MDアンダーソンがんセンターから報告された。

試験デザイン

対象

2000年1月1日から2014年12月31日までに初回治療として手術を受けた臨床病期T1-2、N0-1、M0の早期乳がん女性

治療法(レジメン)

乳房温存療法(4,094人) 乳房全切除術(2,641人) 乳房全切除術後の放射線治療(598人)

評価項目

全生存期間(OS)、乳がん特異的生存期間(BCSS)、無遠隔転移生存期間(DMFS)、局所・領域再発率(LRR)など

結果

有効性

乳房全切除術の実施率は、2005年から2013年にかけては、30.6%から43.2%に増加。特に50歳以下の患者では、2005年から2013年にかけて39.7%から59.9%と有意な増加を示した(p<0.001)。 患者背景のばらつきを(逆確率重み付けにより)調整後、追跡期間中央値6.1年におけるBCSSは、全切除術単独群と比較して乳房温存療法群または全切除術と放射線治療を併用した群でわずかに悪かったが、OS、DMFS、およびLRR率に差は認められなかった。 サブセット解析では、全切除術単独群と乳房温存療法群の間で、OS、BCSS、およびDMFSに有意な生存率差は認められなかった。しかし、トリプルネガティブ乳がんおよびI期症例において、乳房温存切除術群は全切除術群よりもLRR率が低かった(p=0.02)。 全解析対象のうち2000年から2009年に診断された患者(少なくとも10年間追跡された患者)のみを含む長期追跡(LTFU)コホートが特定されたが、LTFUコホートについても同様の傾向が認められた。

安全性

結論

今回の結果は、患者背景などのばらつきを補正後、早期乳がんに対する初回外科的治療戦略として、乳房温存療法と乳房全切除術は同等であることを示している。 これは、乳房の全摘出か温存かの意思決定に役立つデータとなり得る。 参照元: Comparing Survival Differences between Patients Undergoing Breast-Conserving Therapy Versus Total Mastectomy as a First Treatment for Early Stage Breast Cancer(Ann Surg Oncol 2025 DOI: 10.1245/s10434-025-18030-0.)
ニュース 乳がん 乳房全切除術乳房温存療法

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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