8月31日、「1億人が“カジュアルソーシャルアクション”宣言!」と題して、NPO法人deleteC主催の「deleteC大作戦2025」キックオフが開催された。
「deleteC大作戦2025」は、9月1日〜30日のがん制圧月間・健康増進普及月間に合わせ、みんなの力でがんを治せる病気にすることをミッションに、全国の市民・企業団体・医療者が一体となって開催されるイベントだ。今年で6回目の開催となり、過去最大の規模での実施だという。
小国士朗氏(deleteC代表理事)は、がんを治せる病気にしよう、と考えた時に、一般市民が簡単にできることがなかったと、deleteC立ち上げ当時を振り返る。「deleteCの活動に参加することで、どんな人でもがんを治す取り組みを応援するプレーヤーの一人になれる、そんなコンセプトで活動が始まりました」(小国氏)
そして、今年の「deleteC大作戦2025」は、“カジュアルソーシャルアクション(CSA)=普段の生活の中でできることから始める軽やかなアクション”がキーワードとして掲げられている。「1億人がCSA」を目指して進めていきたい、と小国氏は熱い想いを語った。
具体的なCSAとして掲げられているのは、
9つのアクション。そして、キックオフ当日は、「1億人がCSA」というスローガンに向かって個々に何ができるのか、小さい子どもから大企業の社長までがテーブルを囲み、自分にできるアクションを宣言し、発表し合った。

イベント後半は、「CSAが持つ、新しい社会貢献のありかた」をテーマに、パネルディスカッションが行われた。
deleteCの活動にいち早く賛同し、サミットの各店舗に特設コーナーを設けて活動に参加してきた服部哲也氏(サミット株式会社 代表取締役社長)は、社員が自分ごととして捉えて自発的に取り組んでいることがなにより嬉しいと語る。今ではこの取り組みが全国の他のスーパーマーケットに拡大し、今年はサミットをはじめとする全国約31都府県・1,024店舗がCSAアクションに参加予定だ。
また、小国氏の呼びかけに心を動かされ、社内の反対の声も押し切って「C. C. Lemon」のCの”delete”に踏み切った沖中直人氏(サントリー食品インターナショナル株式会社 専務執行役員)は、ただの炭酸飲料にがん研究への貢献という意味を持たせることができるのは素晴らしいことだとし、サントリーの会社理念にもある利益三分主義にも通じる活動だと高く評価した。
更に、この活動は学生にも広がっている。佐藤玲奈氏(クラーク記念国際高等学校 東京キャンパス)は、4年前から活動に参加し、高校生でもできる活動を模索してきた経験を共有。文化祭でのフォトブース設置の取り組みや、全国のクラークのキャンパスをオンラインでつなげたdeleteCクイズ大会の実施など、正解がない中で生徒自身が自発的に考え、他人を巻き込みながら活動する力がついてきたと語った。
吉野孝之氏(一般社団法人癌治療学会 理事長)は、日本の国民1億人から1円の寄付が集まれば1億円になる、という言葉の重さ、そして「Cを消す」という視覚に訴える活動の分かりやすさを強調。また、「国民を巻き込んでみんなで取り組む流れを作り、その中で課題解決のために医療者が治療・研究を行い、その恩恵を国民が受けることができる」という循環を実現できる活動であることを高く評価した。「医療者が作り上げる一方向の医療ではなく、国民がみんなで一緒に作り上げていく医療を目指した日本のフロンティアであるdeleteCのメンバーをすごいなと思い、いつも見ています」(吉野氏)
最後に、川上尚人氏(2021年度受賞者 東北大学大学院医学系研究科 臨床腫瘍学分野 教授)は自身の研究について、”がんを治したい”という同じ想いを持つdeleteCからの支援を受け、広く周知してもらえたことが、研究の大きな力になったと語った。特に、deleteCが作るYouTube動画を見た患者さんが、自分から臨床試験への参加の希望を医師に伝える場面も経験し、まさに患者のニーズを変えた取り組みだ、と強調した。
最後に小国氏は、1人の1億円ではなく1億人の1円を大切にしたい、それを実現できる活動にしたい、という想いで続けてきた活動が、本当に1億人に広がっていっている実感を持つことができたとキックオフを締めくくった。
deleteC大作戦2025は、9月1日20時から、一斉投稿とともにスタートする。
関連リンク:
deleteC大作戦2025 ウェブサイト