この記事の3つのポイント
・治療歴のあるKRAS変異陽性転移性大腸がんを対象とした第2相試験
・二次治療としてのPLK1阻害剤であるOnvansertib+FOLFIRI+アバスチン併用療法の有効性・安全性を検討
・併用療法により、良好な抗腫瘍活性を示す
2024年10月30日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、治療歴のあるKRAS遺伝子変異陽性転移性大腸がんに対する二次治療としてのPLK1(polo-like kinase 1)阻害剤Onvansertib+FOLFIRI+アバスチン(一般名:ベバシズマブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03829410)の結果がMayo ClinicのDaniel H. Ahn氏らにより公表された。
本試験は、治療歴のあるKRAS遺伝子変異陽性転移性大腸がん患者に対する二次治療として、Onvansertib 15mg/m2(28日を1サイクルとして1-5および15-19日目に1日2回)+FOLFIRI+アバスチン(1および15日目)を投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、奏効持続期間(DOR)、耐用性を検証した多施設共同オープンラベルの単群試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるORRは26.4%(95%信頼区間:15.3%-40.3%)、またDORの中央値は11.7ヶ月(95%信頼区間:9.4ヶ月-未到達)を示した。グレード3/4の有害事象(AE)発症率は62%を示した。
また事後分析の結果、アバスチン投与歴のない患者は治療歴のある患者に比べてORR、PFSともに良好な傾向が認められた。ORRはアバスチン治療歴のある患者群の76.9%に治療歴のない患者群で10.0%(P<0.001)、PFSはアバスチン治療歴のある患者群の14.9ヶ月に対して治療歴のない患者群で6.6ヶ月を示した(P<0.001)。
以上の結果よりDaniel H. Ahn氏らは「KRAS遺伝子変異陽性転移性大腸がんに対する二次治療としてのOnvansertib+FOLFIRI+アバスチンは、特にアバスチン治療歴のない集団において、良好な腫瘍効果を示しました。同結果を受けて、一次治療における併用療法の評価も進行中です」と述べた。
参照元:
Onvansertib in Combination With Chemotherapy and Bevacizumab in Second-Line Treatment of KRAS-Mutant Metastatic Colorectal Cancer(Journal of Clinical Oncology 2024 DOI:10.1200/JCO-24-01266)あなたは医師ですか。