治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫に対するベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾン併用療法、無増悪生存期間を有意に改善-英グラクソ・スミスクライン社-


  • [公開日]2024.02.27
  • [最終更新日]2024.02.20
この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫が対象の第3相のDREAMM-7試験
・ベランタマブ マホドチン+ボルテゾミブ+デキサメタゾンの有効性安全性を比較検証
・ボルテゾミブ+デキサメタゾンにベランタマブ マホドチンを併用することで、無増悪生存期間を有意に延長

英グラクソ・スミスクライン社は2月5日、治療歴のある再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対する抗BCMA抗体薬物複合体ベランタマブ マホドチンとプロテアソーム阻害薬ボルテゾミブ+デキサメタゾン(BorDex)の併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のDREAMM-7試験の結果を公表した。

DREAMM-7試験は、1レジメン以上の治療歴のあるRRMM患者(N=494人)に対して、ベランタマブ マホドチン+BorDex併用療法を投与する群、もしくは抗BCMA抗体薬ダラザレックス(一般名:ダラツムマブ)+BorDex併用療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として独立審査委員会(IRB)判定による無増悪生存期間(PFS)、重要な副次評価項目として全生存期間OS)、奏効持続期間(DOR)、微小残存病変MRD)陰性率等を比較検証した多施設共同オープンラベルランダム化試験である。

本試験の結果、主要評価項目であるPFSは、ダラツムマブ+BorDex併用群に比べてベランタマブ マホドチン+BorDex併用群で病勢進行または死亡のリスクを59%改善した(HR:0.41,95%信頼区間:0.31-0.53,P<0.00001)。またPFSの中央値はベランタマブ マホドチン+BorDex併用群の36.6ヶ月(95%信頼区間:28.4ヶ月-未到達)に対してダラツムマブ+BorDex併用群で13.4ヶ月(95%信頼区間:11.1-17.5ヶ月)を示した。PFSの改善効果は、レナリドミド抵抗性、染色体異常のある患者群等、事前に指定されたサブグループ解析でも同様の効果が得られた。

ORRは、ベランタマブ マホドチン+BorDex併用群の82.7%(95%信頼区間:77.4%-87.3%)に対してダラツムマブ+BorDex併用群で71.3%(95%信頼区間:65.3%-76.8%)を示した。奏効の内訳は、ベランタマブ マホドチン+BorDex併用群でsCR(厳格な完全奏効)が14.0%、CR(完全奏効)が20.6%、VGPR(最良部分奏効)が31.3%、PR(部分奏効)が16.9%、ダラツムマブ+BorDex併用群でsCRが5.2%、CRが12.0%、VGPRが29.1%、PRが25.1%を示した。

MRD陰性率は、ベランタマブ マホドチン+BorDex併用群の24.7%(95%信頼区間:19.4%-30.6%)に対してダラツムマブ+BorDex併用群で9.6%(95%信頼区間:6.2%-13.9%)を示した。DORの中央値はベランタマブ マホドチン+BorDex併用群の35.6ヶ月(95%信頼区間:30.5ヶ月-未到達)に対してダラツムマブ+BorDex併用群で17.8ヶ月(95%信頼区間:13.8-23.6ヶ月)を示した。

一方の安全性として、眼症状を除いたグレード3以上の有害事象(AE)は、血小板減少症がベランタマブ マホドチン+BorDex併用群の55%に対してダラツムマブ+BorDex併用群で35%、好中球減少症が12%に対して6%、肺炎が12%に対して4%、貧血が8%に対して10%を示した。

ベランタマブ マホドチン特有の有害事象である眼症状関連のAEは32%の患者で確認され、目のかすみが22%、ドライアイが7%、目の炎症が5%、視覚障害が5%であり、比較的どのAEも管理可能であり、治療中止率は9%であった。

参照元:
DREAMM-7 phase III trial shows Blenrep combination nearly tripled median progression-free survival versus standard of care combination in patients with relapsed/refractory multiple myeloma

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