2017年12月22日、NTRKもしくはROS1遺伝子再構成を有する進行性固形がん患者に対する経口チロシンキナーゼ阻害薬であるエントレクチニブを開発するイグナイタ社を17億ドル(約1900億円)で買収することをエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が自社のプレスリリースで公表した。

最近発表されたエントレクチニブの臨床試験であるSTARTRK−2試験(NCT02568267)の結果によれば、ROS1融合遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がん患者に対してエントレクチニブ単剤療法を投与し、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)、副次評価項目である奏効持続期間(DOR)、無病悪生存期間(PFS)を検証した多施設共同オープンラベルの第II相試験である。

なお、本試験の結果は非小細胞肺がん以外にも乳がん、大腸がんなどの複数の固形がんを患者を対象としたバスケット試験における非小細胞肺がん患者を対象としたものである。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は治験医師判定によれば78%(N=25/32人)、独立中央評価委員会(ICR)によれば69%(N=22/32人)であることが示された。また、脳転移を有する患者(N=6人)における頭蓋内病変の客観的奏効率(iORR)は83%(N=5/6人)であることが示された。

副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は28.6ヶ月、無病悪生存期間(PFS)中央値は29.6ヶ月であった。

一方の安全性グレード1または2の有害事象(AE)を主に発症し、エントレクチニブの有害事象(AE)により治療継続が困難となった患者は3%であった。

以上のSTARTRK−2試験の結果が承認されれば、イグナイタ社はROS1融合遺伝子変異を有する進行性非小細胞肺がんをはじめとした固形がんの適応で新医薬品の承認取得のための申請(NDA)に向け準備を進める予定であった。

今回のイグナイタ社買収を受けて、エフ・ホフマン・ロシュ社・最高経営責任者(CEO)であるDaniel O’Day氏は下記のように述べている。“がんは複雑な疾患であり、多くの患者はがんの遺伝子変異を発見できず、治療に難渋します。イグナイタ社の開発したエントレクチニブは弊社が進行させているがん患者の個別化医療に欠かせない医薬品です。今回の買収により、弊社の個別化医療戦略が加速することになるでしょう。”

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