局所進行転移性腎細胞癌の一次治療としてのテセントリク+アバスチン併用療法、PD-L1発現1%以上の患者群で無増悪生存期間を有意に延長


  • [公開日]2017.12.19
  • [最終更新日]2020.03.18

2017年12月11日、未治療の局所進行または転移性腎細胞癌患者に対するアテゾリズマブ(商品名テセントリク;以下テセントリク)+ベハジズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法有効性を検証した第III相のIMmotion151試験(NCT02420821)の結果をエフ・ホフマン・ラ・ロシュ社が自社のプレスリリースで公表した。

IMmotion151試験とは、未治療の局所進行または転移性腎細胞癌患者(N=915人)に対して3週に1回の投与間隔でテセントリク1200mg+アバスチン15mg/kg併用療法を投与する群、または1日1回スニチニブ(商品名スーテント;以下スーテント)50mgを投与する群に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目としてPD-L1発現1%以上の患者における主治医評価による無増悪生存期間(PFS)、全ての患者における全生存期間(OS)を比較検証した多施設共同オープンラベルの第III相試験である。

本試験の結果、主要評価項目であるPD-L1発現1%以上の患者における主治医評価による無増悪生存期間(PFS)は、リスクファクターにより層別化した全ての患者グループ(低・中・高リスク)において、スーテント単剤療法群よりもテセントリク+アバスチン併用療法群で統計学的に有意に延長することが示された。

しかし、本結果は検出力が担保されていないため記述的なものにとどまる。また、もう1つの主要評価項目である全ての患者における全生存期間(OS)については解析に必要となるイベント数に達していない。

一方の安全性プロファイルとしては、各薬剤で認められている既存の安全性プロファイルと一致しており、テセントリク+アバスチン併用療法レジメンにおける新たな安全性の懸念は確認されなかった。

IMmotion151試験の結果を受けて、エフ・ホフマン・ラ・ロシュ社・上席執行役員プロジェクト・ライフサイクルマネジメントユニット長である伊東 康氏は以下のように述べている。「アバスチンはインターフェロン併用療法で腎細胞癌の治療薬として海外で承認されています。この度日本人も参加するIMmotion151試験において、新たにアテゾリズマブ+アバスチン併用療法で腎細胞癌の治療薬として有用性が示せたことを喜ばしく思います。

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