慢性骨髄性白血病とは

白血病とは血液のがんです。血液細胞は大きく分けて赤血球、血小板、白血球があり、白血球は、リンパ球、顆粒球、単球の総称です。

これら細胞はもともとは造血幹細胞という細胞から変化してできますが、その変化する過程は2種類あります。

造血幹細胞から赤血球、血小板、単球、顆粒球ができる過程を骨髓系、造血幹細胞からリンパ球ができる過程をリンパ系と呼びます。

慢性骨髄性白血病が「骨髄性」と呼ばれるのは、白血球、赤血球、血小板をつくる過程で造血幹細胞ががん化することからです。

ちなみに、「慢性」と呼ばれるのは急性骨髄性白血病のように貧血、発熱、脾臓の腫れなどの症状が初期にはない、もしくはあっても軽く、進行すると急性白血病と同じような症状があらわれることから「慢性」と呼びます。

慢性骨髄性白血病の新薬ポナチニブ(アイクルシグ)について

慢性骨髄性白血病の原因はBCR-ABL遺伝子が作り出すBCR-ABLチロシンキナーゼです。BCR-ABLチロシンキナーゼが白血病細胞を増殖させる指令を出し続けるため、体内で白血病細胞が増殖し続けます。

BCR-ABL遺伝子はフィラデルフィア(Ph)染色体と呼ばれる異常な染色体上に出現しますが、慢性骨髄性白血病の患者の95%はフィラデルフィア(Ph)染色体を持っていることが判ってます。

そのため、慢性骨髄性白血病の治療戦略はBCR-ABLチロシンキナーゼを阻害する、イマニチブ、ダサチニブ、ニロチニブなどのBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬が投与されます。

これらBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬の登場により慢性骨髄性白血病の症状の段階にもよりますが、治療成績は劇的に向上しました。特に慢性期の段階においては、イマチニブがアメリカで承認された2001年以降の寛解率は90%を超えます。

しかし、イマニチブ、ダサチニブ、ニロチニブを持ってしても慢性骨髄性白血病を寛解できない患者さん、または副作用により治療継続ができない患者さんは存在します。そんな患者さんのために開発されたのが

アイクルシグ

です。アイクルシグはin vitro試験において、野生型BCR-ABLまたは変異型BCR-ABL細胞の発現するBa/F3細胞の増殖を阻害する力が、ポナチニブ、ニロチニブよりも強力であり、ダサチニブと同程度以上であることが判っています。

ポナチニブ(アイクルシグ)の薬剤概要

製品名

アイクルシグ

一般名

ポナチニブ塩酸塩

用法用量

45mgを1日1回経口投与

効能効果

1)前治療薬に抵抗性又は不耐容の慢性骨髄性白血病
2)再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病

主な副作用

発熱、血小板数減少、高血圧、リパーゼ増加、好中球数減少、発疹、皮膚乾燥、ALT(GPT)増加、AST(GOT)増加、便秘、γ-GTP増加、白血球数減少、薬疹、筋肉痛、血中ALP増加、末梢性浮腫、発熱性好中球減少症

製造承認日

・2016年9月28日(日本)

ポナチニブ(アイクルシグ)の作用機序

ポナチニブは野生型BCR-ABLと、他の治療薬に対して抵抗性となる変異型BCR-ABLを含むBCR-ABLに対して阻害作用を示します。BCR-ABLとは、慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の発症原因となる異常なチロシンキナーゼです。

ポナチニブ(アイクルシグ)の最新文献

・2016年4月12日
1)Ponatinib versus imatinib for newly diagnosed chronic myeloid leukaemia: an international, randomised, open-label, phase 3 trial
新規慢性骨髄性白血病患者の一次治療としてイマチニブとポナチニブの有効性を比較した臨床試験。有効性はポナチニブの方が高いものの、動脈閉塞関連の副作用がポナチニブの方が高いことが判った。

ポナチニブ(アイクルシグ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

ポナチニブ(アイクルシグ)の治験情報

1)Ponatinib in Patients With Resistant Chronic Phase Chronic Myeloid Leukemia (CML) to Characterize the Efficacy and Safety of a Range of Doses

治験の概要

治療抵抗性を示す慢性骨髄性白血病患者さんに対してポナチニブ45mg、30mg、15mg容量別の有効性、安全性を検証する治験

治験の期限

2018年12月

参考資料

1)造血器腫瘍診療ガイドライン
2)ポナチニブ添付文書


この記事に利益相反はありません。

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