<一般的な説明>
試験概要
この試験は、局所進行または転移のみられる非小細胞肺がん患者に対して、免疫チェックポイント阻害薬(PD-L1抗体)MEDI4736(デュルバルマブ)とゲフィチニブ(商品名イレッサ)を併用した場合の薬剤の安全性や副作用の度合い、薬物動態、抗腫瘍効果を評価する第1相試験です。
治験薬剤の説明
MEDI4736 (デュルバルマブ):通常、細菌等の異物が体内に認められたときに免疫細胞が攻撃します。一方、がん細胞は免疫細胞から異物と認められないような機能を有しますが、その時にPD-L1というたんぱく質がかかわっています。MEDI4736はその機能を無効にできると期待されています。結果、がん細胞を異物であると認識することができるようになります。がん細胞を異物と認識できるようになると、免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようになります。
ゲフィチニブ(イレッサ):細胞の表面には上皮増殖因子(EGFR)というタンパク質が存在し、この遺伝子に変異があると、細胞はがん化します。ゲフィチニブは、EGFRの働きを阻害するEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)です。ゲフィチニブの働きにより、がんの増殖を抑えることができます。
主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- 局所進行または転移性非小細胞肺がんと診断された方
- 標準的な治療法では効果が認められない方
- パフォーマンスステータスが0~1の方
この試験の対象とならない方
- 他の抗がん療法を受けている方
- 治療薬投与開始28日以内にその他の抗がん療法を受けた方
- 適切な骨髄機能及び臓器機能が保持されていない方
臨床試験公開情報
JAPIC No : JapicCTI-152773(最終更新2016/2/16)詳細は
コチラ
ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02088112 (最終更新日2016/3/2)詳細は
コチラ
非小細胞肺癌患者を対象としたMEDI4736(抗PD-L1)とゲフィチニブ併用時の安全性、忍容性、薬物動態、及び予備的抗腫瘍効果を検討する非盲検用量漸増多施設共同第1相試験
対象がん種 |
非小細胞肺がん |
フェーズ |
P1 |
実施期間 |
2014年3月~2017年10月 |
実施国 |
日本、米国、韓国 |
目標症例 |
36 |
状況 |
募集中 |
手法 |
非ランダム化、オープンラベル |
被験薬名 |
MEDI4736(一般名:デュルバルマブ、 商品名:-----) |
種類 |
免疫チェックポイント阻害薬(PD-L1抗体) |
投与経路 |
静脈注射 |
<専門的な説明>
試験概要
本治験は非小細胞肺癌患者を対象としたMEDI4736(抗PD-L1)とゲフィチニブ併用時の安全性、忍容性、薬物動態、及び予備的抗腫瘍効果を検討する非盲検、多施設共同、第1相試験である。本治験は局所進行又は転移性非小細胞肺癌患者を対象とし、用量漸増期及び規模拡大期の2つから成る。
治験薬剤の説明
MEDI4736はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)に直接作用する開発中のヒトモノクローナル抗体製剤です。PD-L1を介するシグナルにより、腫瘍は免疫システムから探知されるのを回避します。MEDI4736はこれらのシグナルを阻害することで、がんの免疫逃避機構が働かないよう作用します。
(アストラゼネカHPより:
http://www.astrazeneca.co.jp/media/pressrelease/Article/201505082)
ゲフィチニブ(イレッサ®)はアストラゼネカ社により合成、開発された上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナ ーゼ阻害剤である。上皮成長因子受容体(EGFR)は非小細胞肺癌を含め多くの悪性腫瘍で過剰発現しており、腫瘍 の増殖・維持に関与していることが明らかになりつつある。さらにEGFR の発現あるいは過剰発現がみられる腫瘍は、 発現の見られない腫瘍に比べて高転移性を示すこと、予後不良であることなどが報告されている。
(医薬品インタビューフォームより:
http://i250-higainokai.com/2010-11-iressa_if.pdf)
注意
・この試験は第1相試験です、第1相試験は、患者さんの安全性を確認しつつ実施する試験であるため、途中解析のための中断を挟む可能性があります。
・試験タイトルに英語記載がある場合、JAPIC等の日本語公開情報に掲載がないことを意味します。
・試験概要の「専門的な説明」は、JAPICやUMINに情報がある場合はそこから、ない場合はClinidcaltrials.govから転記しています。
・薬剤の「専門的な説明」は、開発企業に情報がある場合はそこから、ない場合はNCI(National Cancer Institute)から転記しています。
・専門的な記載を一般の方がわかるよう記載していますが、当社の認識が誤っていることがありますので、必ず実際の公開情報を確かめてください。
・実施医療機関は明記できませんが、実際の公開情報に明記されている場合があります。
・主な参加条件には記載された基準以外にも多くの基準があります。
臨床試験(治験)とは
・当サイトは積極的に日本で実施されている臨床試験情報(治験)を紹介していますが、臨床試験は効果や安全性を確認することが主たる目的となる場合が多く、確立されている治療法を示しているものではありません。参加を検討する際には、臨床試験のリスクとベネフィットをよく理解してください。宜しければ、「
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・その他、「
臨床試験記載のルールについて」をご確認ください。
初回作成:川村 千恵(最終更新:可知 健太)