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トリプルネガティブ乳がん(TNBC)啓発セミナーに藤本美貴さんらが登壇、認知向上と正しい理解を~ギリアド社がメディアセミナーを開催~

[公開日] 2024.10.30[最終更新日] 2024.10.30

目次

ギリアド・サイエンシズ株式会社は10月29日、都内でメディアセミナーを開催。名古屋市立大学大学院医学研究科 臨床研究戦略部 特任教授・愛知県がんセンター 前乳腺科部長 の岩田 広治先生、難治性乳がんサポートプロジェクトアッピーチ(UPEACH)実行委員会応援アンバサダーであるタレントの藤本美貴さんらが登壇した。

ここ数年で大きくに変化したトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の治療

「10 月は乳がん啓発月間!専門医・患者団体が語る最前線 難治性乳がんTNBCの最新治療動向」と題した今回のセミナーでは、岩田先生が難治性乳がんであるトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の現状を解説した。 日本国内の乳がん罹患者数は2017年時点でおよそ9万人/年。この数は女性のがん罹患数として最も多い。岩田先生は「今は10万人弱が罹患されているのではないか」と増加傾向にあることを示唆する。 (名古屋市立大学大学院 岩田広治先生) トリプルネガティブ乳がん(TNBC)とは、乳がんのうちER(エストロゲン受容体)、PgR(プロゲステロン受容体)、HER2(上皮成長因子受容体2)のすべてが陰性を示す乳がんのこと。その数は乳がん全体の約10%(1万人/年)に留まる。 2017年に発表された研究では、診断時にステージIVのトリプルネガティブ乳がん(TNBC)における全生存期間(OS)は約13か月(他のステージでは34~44か月)と予後が悪く、岩田先生は「ほかのタイプと比較して“たちが悪い”、難治性のという枕詞つく(がんである)」と語る。 岩田先生は、他のタイプの乳がんでは薬剤開発が進んでいたが、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)ではその進捗が思わしくなかった点をその理由に挙げる。「いわゆる抗がん剤が主流。ターゲットセラピー(特定のがん細胞だけを攻撃する治療)の開発が遅れていた」(岩田先生) しかし、近年ではその開発は成果を上げつつある。2018年にはBRCA遺伝子変異を有する遺伝性乳がんを対象にPARP阻害薬が国内で承認を取得。以降、PD-L1阻害薬が承認を取得するなど、一定の条件はありつつもトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の治療に活用できる薬剤選択肢はここ数年で増加した。 そして今年9月、転移性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対して、抗Trop-2抗体薬物複合体が新たに承認を取得した。米国においては3年前に承認済みであり、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の二次治療以降で使用されているという。 岩田先生は、「選択肢が一つ増えたということで、今回の承認は大変朗報」と語るとともに、「同様の機序の薬が現在、その他にも開発されている。今後はそれらの薬との組み合わせや使い分けが重要になるのではないか」と展望を語った。

希望をもつようにとは言えなかった(岩田先生)

トークセッションには、岩田先生、藤本美貴さん、認定 NPO 法人乳がん患者友の会きらら代表でUPEACH実行委員会の代表も務める中川圭さん、トリプルネガティブ乳がんサバイバー山内千晶さんが登壇した。 今回、アンバサダーに就任するまで、藤本さんはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の存在を知らなかったという。「乳がんのことは、皆さん知ってて『検診大変だね』という話に女子同士ではなったりするんですけど、 トリプルネガティブ乳がん(TNBC)という発症するのが比較的若かったり、治りづらかったりする乳がんがあるということは、あまり知られていないんだなと、お話をいただいた時に感じました」(藤本さん) 岩田先生は「乳がんが細かいサブタイプに分かれているということを知らない方が多く、(乳がんは)ゆっくり進行する、予後が良好というイメージを持たれてる方が多い」と語る。また、中川さんは「乳がんと言われただけでもショックなのに、『あなたのがんは難しい』とも言われ、ショックを受け、泣きながら患者会に来られる患者さんもいた」と実体験を述べた。 9年前、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に罹患した山内さんは、「当時、(治療)選択肢も少なく、いろいろ悩むこともあった」と振り返る。岩田先生は、「(数年前は患者さんに)希望をもつようにとは言えなかったのですが、今は『頑張って治療すれば、また新しい薬が出てきてくるかもしれないから、一緒に頑張ろう』ということが言えるようになりつつあることが大きな進歩」と語った。

検診には限界が、自分の乳房に関心を

毎年10月は乳がん月間であり、日本各地でピンクリボン活動が行われている。こうした動きを中川さんは歓迎しつつも、「元々、乳がん検診の受診率が低かったという背景があるため、日本のピンクリボン活動は検診重視」と現状を語る。「乳がんそのものを知っていただくことで、患者さんをサポートできるし、一般の皆様方の健康を守ることができる」と、より疾患や患者自身にフォーカスを当てた活動の必要性を口にした。 一方、岩田先生は検診の限界を指摘。一般的な検診で行われるマンモグラフィーでは、乳腺がしっかりしている若年の方の場合、がんの存在がわかりにくく見逃されてしまうケースもあるため、「乳房アウェアネス(ブレスト・アウェアネス)。自分の乳房に関心を持ちましょう」と語り、「おかしなことがあったら、自分で気づくことのはすごく大事」と述べた。実際に、自身で違和感を覚え、診察を受けた患者さんのなかには、早期のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)であった方もいたという。 最後に藤本さんは、今回のアンバサダー就任を振り返りつつ、「トリプルネガティブ乳がん(TNBC)をたくさんの方に知っていただきたいなと思います。自分自身でもできることがあるということを伝えていきたい」と抱負を述べた。 なお、今回のセミナーでは、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)啓発動画「ミキティと桃凛ちゃんと学ぶTNBC」が初公開された。動画は下記関連リンクより視聴できる。 関連リンク 動画「ミキティと桃凛ちゃんと学ぶ TNBC
ニュース 乳がん トリプルネガティブ

茂木 孝裕

オンコロサイト・コンテンツ編集者。法政大学社会学部メディア社会学科卒業後、広告代理店、スポーツ新聞社などを経たのち、医療情報サイトで編集・ライター業務に約6年従事。2019年よりクリニカルトライアル(現3Hメディソリューション)/オンコロに参加。オンコロジー領域以外の医療情報も幅広く取材。

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