この記事の3つのポイント
・再発難治性固形がんを対象とした第1相の用量設定試験
・B7-H3キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の有効性・安全性を検討
・急性の標的外毒性を伴わずに安全性が確認された
2024年9月10日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発難治性固形がんを有する若年患者に対するB7-H3キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法の有効性、安全性を検証した第1相の3+3法用量設定試験(NCT04483778)の結果がSeattle Children's Research InstituteのNavin Pinto氏らにより公表された。
本試験は、再発難治性固形がんを有する若年患者(N=16人,11-24歳、年齢中央値18.5歳)に対してB7-H3キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法を0.5*10⁶CARTcells/kg(DL1)投与する群(N=3人)、1.0*10⁶CARTcells/kg(DL2)を投与する群(N=6人)に分け、評価項目として最大耐用量(MTD)、安全性、客観的奏効率(ORR)等を検証した3+3法用量設定試験である。
本試験の結果、初回投与時における用量制限毒性(DLT)は1人の患者でも確認されなかった。また、末梢血で検出された循環CAR T細胞の最大値は4.98cells/μL(0~4.98cells/μL)であり、転移病変部位、腫瘍細胞と共局在するCAR T細胞が1人の患者で検出された。2回目投与時ではCAR T細胞の発現が促進され、サイトカイン放出症候群、用量制限性トランスアミノ炎を発症した。また、IL-21は投与初回時に比べて2回投与時で増加した。
以上の第I相の用量設定試験の結果よりNavin Pinto氏らは「再発難治性固形がんを有する若年患者に対するB7-H3キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法は、急性の標的外毒性を伴わずに忍容性が確認されました」と結論付けた。
参照元:
STRIvE-02: A First-in-Human Phase I Study of Systemically Administered B7-H3 Chimeric Antigen Receptor T Cells for Patients With Relapsed/Refractory Solid Tumors(Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.23.02229)あなたは医師ですか。