試験デザイン
対象
免疫チェックポイント阻害剤および血管新生阻害剤による治療歴のある進行明細胞腎細胞がんレジメン
試験群:ベルズチファン120mgを1日1回、病状進行または重篤な毒性発現まで投与 対照群:アフィニトール10mgを1日1回、病状進行または重篤な毒性発現まで投与評価項目
主要評価項目:無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS) 副次評価項目:客観的奏効率(ORR)結果
初回(追跡期間中央値18.4か月)および2回目(追跡期間中央値25.7か月)の中間解析結果が報告された。有効性
初回中間解析時におけるPFS中央値は、両群ともに5.6か月。18か月時点での無増悪生存割合は、ベルズチファン群で24.0%、アフィニトール群で8.3%であり、統計的有意な差が認められた。 ORRはベルズチファン群で21.9%(95%信頼区間:17.8-26.5)、アフィニトール群で3.5%(95%信頼区間:1.9-5.9)であり、こちらも統計的有意な差が認められた。 一方で、2回目の中間解析時におけるOS中央値は、ベルズチファン群で21.4か月、アフィニトール群で18.1か月であった。18か月時点での全生存割合は、アフィニトール群で55.2%、アフィニトール群で50.6%であり、統計的な有意差を認めなかった。安全性
グレード3以上の有害事象は、ベルズチファン群で61.8%(グレード5は3.5%)、アフィニトール群では62.5%(グレード5は5.3%)に発現した。また有害事象による治療中止割合は、それぞれ5.9%と14.7%であった。結論
治療歴のある進行明細胞性腎細胞がんに対するベルズチファンは、アフィニトールと比較してPFSおよびORRの改善を示し、新たな安全性シグナルも認められなかった。 同試験結果をもとに、「根治切除不能または転移性の腎細胞がん」に対するベルズチファン単剤療法が、先月に日本国内で承認申請されている。 参照元:Belzutifan versus Everolimus for Advanced Renal-Cell Carcinoma(N Engl J Med 2024. doi:10.1056/NEJMoa2313906)