(画像はリリースより)
安全性に関しては、グレード3以上の治療関連有害事象は、キイトルーダ群で65%に対してプラセボ群で63%に発現したが、新規の安全性上の懸念は認められなかった。
また、アジア人集団(387例)と非アジア人集団(620例)の比較が探索的に行われた。アジア人集団における5年EFS率は、キイトルーダ群で54.1%に対してプラセボ群で45.6%、非アジア集団においては37.7%に対して24.3%であり、両群ともにアジア人集団で数値が高い傾向であったが、キイトルーダ併用の効果を示すハザード比は両集団で同様であった(それぞれ0.81と0.79)。5年全生存率に関しても、アジア人集団で61.3%に対して57.4%、非アジア人集団において50.5%に対して42.6%であり、アジアで高い数値を認めたが、ハザード比は両集団で同様であった(それぞれ0.87と0.85)。
以上の結果から、キイトルーダ群でpCR率とEFSの改善が認められたものの、EFSの差は統計学的に有意ではなく、またOSの解析は探索的であったことから、標準治療が変わる結果にはならなかった。一方で、類似の試験として、切除可能な局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対する周術期としての抗PD-L1抗体イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+FLOTを検討した国際共同第3相Matterhorn試験では、pCR率に加えてEFSも統計学的有意な改善を認めたことから、今後はFLOT+イミフィンジが全世界的な標準治療となることが期待されている。また、他の薬剤との併用や再発低リスク・高リスク集団を層別化した治療戦略の検討が望まれる。
なお今回の結果の詳細は、8月19日(米国時間)に科学雑誌「Journal of Clinical Oncology」に掲載されている。
参照元:
国立がん研究センター プレスリリースあなたは医師ですか。



