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胃がん/食道胃接合部腺がんに対する周術期治療としてのキイトルーダ+化学療法、最終解析結果が発表 国立がん研究センター

[公開日] 2025.08.25[最終更新日] 2025.08.22

国立がん研究センターは8月21日、切除可能な局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対する周術期治療として、キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)+化学療法の有効性・安全性を検討した国際共同第3相KEYNOTE-585試験の最終解析結果を発表した。 同試験は、未治療の切除可能な局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対して、術前・術後の化学療法にキイトルーダまたはプラセボの併用を検討した試験。化学療法は、主要コホートではシスプラチン+カペシタビンまたはシスプラチン+5-FU併用レジメンが使われ、FLOTコホートではFLOTレジメン(5-FU、ドセタキセル、オキサリプラチン)が使われた。 今回の最終報告時点では、主要コホートの追跡期間中央値が59.9ヵ月(範囲39.0ヵ月~75.8ヵ月)であった。 病理学的完全奏効(pCR)率は、キイトルーダ群で13.4%に対してプラセボ群で2.0%であり、統計学的に有意な改善を示しました。一方で、無イベント生存期間(EFS)の中央値は、キイトルーダ群で44.4ヶ月に対してプラセボ群で25.7ヶ月であり、キイトルーダにより改善傾向が見られたものの、事前に設定された統計学的有意性の基準を満たさなかった。また全生存期間(OS)の中央値は、キイトルーダ群で71.8ヶ月に対してプラセボ群で55.7ヶ月であった(EFSに差がつかなかったことから、OSの正式な統計学的解析は実施されなかった)。 (画像はリリースより) 安全性に関しては、グレード3以上の治療関連有害事象は、キイトルーダ群で65%に対してプラセボ群で63%に発現したが、新規の安全性上の懸念は認められなかった。 また、アジア人集団(387例)と非アジア人集団(620例)の比較が探索的に行われた。アジア人集団における5年EFS率は、キイトルーダ群で54.1%に対してプラセボ群で45.6%、非アジア集団においては37.7%に対して24.3%であり、両群ともにアジア人集団で数値が高い傾向であったが、キイトルーダ併用の効果を示すハザード比は両集団で同様であった(それぞれ0.81と0.79)。5年全生存率に関しても、アジア人集団で61.3%に対して57.4%、非アジア人集団において50.5%に対して42.6%であり、アジアで高い数値を認めたが、ハザード比は両集団で同様であった(それぞれ0.87と0.85)。 以上の結果から、キイトルーダ群でpCR率とEFSの改善が認められたものの、EFSの差は統計学的に有意ではなく、またOSの解析は探索的であったことから、標準治療が変わる結果にはならなかった。一方で、類似の試験として、切除可能な局所進行胃/食道胃接合部腺がんに対する周術期としての抗PD-L1抗体イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+FLOTを検討した国際共同第3相Matterhorn試験では、pCR率に加えてEFSも統計学的有意な改善を認めたことから、今後はFLOT+イミフィンジが全世界的な標準治療となることが期待されている。また、他の薬剤との併用や再発低リスク・高リスク集団を層別化した治療戦略の検討が望まれる。 なお今回の結果の詳細は、8月19日(米国時間)に科学雑誌「Journal of Clinical Oncology」に掲載されている。 参照元: 国立がん研究センター プレスリリース
ニュース 胃がん キイトルーダペムブロリズマブ胃食道接合部腺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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