この記事の3つのポイント
・進行または再発子宮体がんを対象とした第3相のDUO-E試験のサブ解析
・初回治療としてのイミフィンジ+化学療法に続くイミフィンジ±リムパーザによる維持療法の有効性・安全性を検討
・ミスマッチ修復機能正常および欠損集団におけるサブ解析で良好な結果を示す
2024年6月20日~22日、イタリア・フィレンツェで開催された欧州臨床腫瘍学会世界婦人科癌会議(ESMO gynaecological cancers congress 2024)にて、進行または再発子宮体がんに対する初回治療としての抗PD-L1抗体薬イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)+カルボプラチン+パクリタキセル併用療法と、続く維持療法としてのイミフィンジ±PARP阻害薬リムパーザ(一般名:オラパリブ)の有効性、安全性を比較検証した第3相のDUO-E試験(NCT04269200)のサブグループ解析の結果がUZ LeuvenのEls Van Nieuwenhuysen氏らにより公表された。
DUO-E試験は、進行または再発子宮体がん患者に対する初回治療として、3週を1サイクルとしてイミフィンジ+化学療法を最大6サイクル実施後に維持療法として4週を1サイクルとしてイミフィンジ単剤を投与する群(CP+D群)、イミフィンジ+化学療法を最大6サイクル実施後に維持療法としてイミフィンジ+リムパーザ併用療法を実施する群(CP+D+O群)、プラセボ+化学療法を最大6サイクル実施後に維持療法としてプラセボ療法を実施する群(CP群)に1対1対1の割合で無作為に振り分けを実施。主要評価項目として、プラセボ群に比べたイミフィンジ単剤群の無増悪生存期間(PFS)、プラセボ群に比べたイミフィンジ+リムパーザ併用群の無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、安全性を比較検証した無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同の試験である。
今回は、ミスマッチ修復機能に応じた奏効率(ORR)、奏効持続期間(DoR)、治療中止までの期間(TDT)が発表された。
全体集団におけるCP+D群とCP+D+O群のORRは、それぞれ62%と64%であり、CP群の55%と比較して改善傾向が認められた。また、DoRとTDTの中央値は、CP+D群の方がCP群と比較して長く(DoR中央値:13.1ヶ月 vs 7.7ヶ月、TDT中央値: 9.9ヶ月 vs 8.8ヶ月)、CP+D+O群ではさらに改善が認められた(DoR中央値: 21.3ヶ月、TDT中央値: 15.1ヶ月)。
ミスマッチ修復欠損集団では、CP+D群およびCP+D+O群はCPと比較してORR(71%および73% vs 40%)、DoRの中央値(NRおよび29.9ヶ月 vs 10.5 ヶ月)、TDTの中央値(21.2ヶ月および20.6ヶ月 vs 6.7ヶ月)の全てにおいて改善傾向を示した。ミスマッチ修復正常集団では、ORRはどの治療群でも同程度であったが、DoRとTDTの中央値はCP+D群の方がCP群よりも長く(DoR中央値:10.6ヶ月 vs 7.6ヶ月、TDT中央値:9.6ヶ月 vs 9.3 ヶ月)、CP+D+O群ではさらに改善が見られた(DoR中央値:18.7ヶ月、TDT中央値:13.4ヶ月)。
以上のDUO-E試験のサブグループ解析の結果よりEls Van Nieuwenhuysen氏らは、「進行または再発子宮体がんのミスマッチ修復機能正常およびミスマッチ修復機能欠損集団に対して、イミフィンジ単剤療法、イミフィンジ+リムパーザ併用療法が臨床的意義のあるベネフィットを示したことは本疾患の予後改善に繋がる可能性が示唆されました」と結論付けた。
参照元:・初回治療としてのイミフィンジ+化学療法に続くイミフィンジ±リムパーザによる維持療法の有効性・安全性を検討
・ミスマッチ修復機能正常および欠損集団におけるサブ解析で良好な結果を示す
First-line (1L) durvalumab + carboplatin/paclitaxel (CP) followed by durvalumab ± olaparib for endometrial cancer (EC) (DUO-E): Objective response rate (ORR), duration of response (DoR) and time to treatment discontinuation or death (TDT) by mismatch repair (MMR) status(ESMO Gynaecological Cancers Congress 2024)