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抗EGFR抗体薬耐性後の転移性大腸がんに対するFOLFIRI+ザルトラップ、良好な抗腫瘍効果を示す

[公開日] 2024.02.19[最終更新日] 2024.02.19

この記事の3つのポイント ・抗EGFR抗体薬+オキサリプラチンベースの化学療法後に病勢進行した転移性大腸がんが対象の第2相試験 ・FOLFIRI+VEGF阻害薬ザルトラップ併用療法の有効性・安全性を検証 ・FOLFIRI+ザルトラップは高い奏効率を示す
2024年01月18~24日、米国・サンフランシスコにて開催された2024 ASCO Gastrointestinal Cancers Symposiumにて、抗EGFR阻害薬+オキサリプラチンベースの化学療法後に病勢進行した転移性大腸がんに対するFOLFIRI+VEGF阻害薬ザルトラップ(一般名:アフリベルセプト)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第2相試験(jRCTs011190006)の結果がTeine Keijinkai HospitalのAtsushi Ishiguro氏らにより公表された。 本試験は、抗EGFR抗体薬+オキサリプラチンベースの化学療法後に病勢進行した転移性大腸がん日本人患者に対して、2週を1サイクルとしてFOLFIRI(イリノテカン180 mg/m2,ロイコボリン200mg/m2,bolus 5-FU 400mg/m2,infusional 5-FU 2400mg/m2/46 h)+ザルトラップ4㎎/kg併用療法を実施し、主要評価項目として6ヵ月無増悪生存率(PFS;閾値は38.9%)、副次評価項目として全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、有害事象(AE)を検証した試験である。 本試験に登録された43人の患者背景は、年齢中央値が68歳(27-80歳)、ECOGパフォーマンスステータスはスコア0が72.1%、スコア1が27.9%、性別は男性が69.8%、腫瘍部位は左側が90.7%であった。 主要評価項目である6ヵ月PFSは58.7%(90%信頼区間:45.5%-71.9%)、PFSの中央値は7.3ヵ月(95%信頼区間:5.5-11.0ヵ月)、OSの中央値は18.8ヵ月(95%信頼区間:12.9-26.6ヵ月)をそれぞれ示した。副次評価項目であるORRは23.3%(95%信頼区間:11.8%-38.6%)、DCRは88.4%(95%信頼区間:74.9%-96.1%)を示した。 一方の安全性として、グレード3以上の主なAEは高血圧62.8%、好中球減少症55.8%、白血球減少症25.6%、発熱性好中球減少症11.6%、疲労9.3%、食欲不振9.3%、蛋白尿9.3%、下痢7.0%などであった。 以上の結果よりAtsushi Ishiguro氏らは「抗EGFR阻害薬+オキサリプラチンベースの化学療法後に病勢進行した転移性大腸がん日本人患者に対するFOLFIRI+ザルトラップ併用療法は、良好な抗腫瘍効果を示し、AEも管理可能な安全性プロファイルを示しました」と述べた。 参照元:
HGCSG1801: A multicenter, prospective, phase II trial of second-line FOLFIRI plus aflibercept in patients with metastatic colorectal cancer (mCRC) refractory to anti-EGFR antibodies. (ASCO GI 2024)
ニュース 大腸がん FOLFIRI

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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