治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫に対する抗BCMA抗CD3二重特異性抗体Linvoseltamab、200mgで高い有効性を示すASCO 2023


  • [公開日]2023.06.28
  • [最終更新日]2023.06.27
この記事の3つのポイント
・治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫を対象とした第2相試験
・linvoseltamabの最適な用量を検討
・linvoseltamab200mgは50mgと比較して高い有効性を示す

2023年6月2日~6日、米国シカゴにて開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO2023)にて、治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対する二重特異性抗体Linvoseltamab単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT03761108)の用量検討の結果がThe University of Texas MD Anderson Cancer CenterのHans C. Lee氏らにより公表された。

本試験は、プロテアソーム阻害剤、免疫調整薬、抗CD38抗体を含む3種類以上の全身療法を受けた再発/難治性多発性骨髄腫患者に対して、BCMAとCD3に対する二特異性抗体Linvoseltamab200mgもしくは50mg単剤を投与し、主要評価項目として客観的奏効率ORR)、重要な副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、微小残存病変MRD)陰性化率(MRD)などを検証した第2相試験である。

本試験に登録された252人の患者背景は、年齢中央値が66歳、前治療歴の中央値は5レジメン(1~16レジメン)、髄外形質細胞腫が12%、高リスク遺伝子異常が12%、骨髄形質細胞割合(BMPC≧50%)が37%であった。

試験の結果、主要評価項目であるORRは、200mg群で64%(N=58人)、50mg群で50%(N=104人)を示した。副次評価項目であるDORの中央値は、200mg群、50mg群とも未到達、6ヶ月奏効持続率は200mg群で89%、50mg群で85%を示した。

一方の安全性として、治療関連有害事象(TRAE)発症率は200mg群で95%、50mg群で100%を示した。最も多くの患者で確認された治療関連有害事象(TRAE)はサイトカイン放出症候群CRS)が200mg群で37%、50mg群で53%、倦怠感が200mg群で32%、50mg群で33%、貧血が200mg群で28%、50mg群で40%を示した。

以上の結果より、Hans C. Lee氏らは、「治療歴のある再発/難治性多発性骨髄腫(RRMM)患者に対する抗BCMA抗CD3二重特異性抗体であるLinvoseltamab単剤療法は、50mgに比べて200mgで良好な抗腫瘍効果を示しました」と結論を述べた。

LINKER-MM1 study: Linvoseltamab (REGN5458) in patients with relapsed/refractory multiple myeloma(ASCO 2023 Abst#8006)

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