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消化管・肝胆膵原発の切除不能再発神経内分泌がんに対するエトポシド+シスプラチン療法/イリノテカン+シスプラチン療法、いずれも標準一次治療となることを示すJAMA Oncologyより


  • [公開日]2022.09.02
  • [最終更新日]2022.09.02
この記事の3つのポイント
・消化管・肝胆膵原発の切除不能再発神経内分泌がん患者が対象の第3相試験
・エトポシド+シスプラチン(EP)療法、イリノテカン+シスプラチン(IP)療法の有効性安全性を比較検証
全生存期間はEP群12.5ヶ月、IP群10.9ヶ月であり、そちらも標準的な一次治療となることが実証された

8月18日、医学誌『JAMA Oncology』にて消化管・肝胆膵原発の切除不能再発神経内分泌がん(NEC)患者(N=170人)に対するエトポシド+シスプラチン(EP)併用療法、イリノテカン+シスプラチン(IP)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のThe TOPIC-NEC試験(UMIN000014795)の結果が国立がん研究センター中央病院の森実千種氏らにより公表された。

The TOPIC-NEC試験は、消化管・肝胆膵原発の切除不能再発神経内分泌がん(NEC)患者に対して3週を1サイクルとして1、2、3日目にエトポシド100mg/m2+1日目にシスプラチン80mg/m2(EP)併用療法を実施する群、もしくは4週を1サイクルとして1、8、15日目にイリノテカン60mg/m2+1日目にシスプラチン60mg/m2(IP)併用療法を実施する群に無作為に振り分け、主要評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した第III相試験である。

本試験が開始された背景として、消化管・肝胆膵原発の切除不能再発神経内分泌がん(NEC)に対して、腫瘍系が病理学的および臨床的特徴を共有している小細胞肺がん(SCLC)の治療に代表されるエトポシド+シスプラチン(EP)併用療法とイリノテカン+シスプラチン(IP)併用療法が日本ではよく用いられる。そこで、エトポシド+シスプラチン(EP)併用療法とイリノテカン+シスプラチン(IP)併用療法のどちらが全生存期間(OS)を改善するかを比較検証する目的で開始された。

本試験に登録された患者の年齢中央値は64歳(29~75歳)、性別は男性が68.8%(N=117人)であった。以上の背景を有する患者に対する本試験の結果は下記の通りである。

主要評価項目である全生存期間(OS)中央値はエトポシド+シスプラチン(EP)併用群の12.5ヶ月に対してイリノテカン+シスプラチン(IP)併用群で10.9ヶ月(HR:1.04、90%信頼区間:0.79-1.37、P=0.80)を示した。

また、その他評価項目である無増悪生存期間PFS)中央値はエトポシド+シスプラチン(EP)併用群の5.6ヶ月(95%信頼区間:4.1-6.9ヶ月)に対してイリノテカン+シスプラチン(IP)併用群で5.1ヶ月(95%信頼区間:3.3-5.7ヶ月)であった(HR:1.06、95%信頼区間:0.78-1.45)。

一方の安全性として、グレード3もしくは4の有害事象(AE)は、好中球減少症がエトポシド+シスプラチン(EP)併用群で91.5%(N=75/82人)、イリノテカン+シスプラチン(IP)併用群で53.7%(N=44/82人)、リンパ球減少症が61.0%、30.5%、発熱性好中球減少症が26.8%、12.2%をそれぞれ示した。

以上のThe TOPIC-NEC試験の結果より森実千種氏らは「消化管・肝胆膵原発の切除不能再発神経内分泌がん(NEC)に対するエトポシド+シスプラチン(EP)併用療法、イリノテカン+シスプラチン(IP)併用療法は両レジメンとも本疾患の標準治療選択肢になり得る可能性が示唆されました。なお、有害事象(AE)は概ね管理可能でしたが、グレード3もしくは4の有害事象(AE)はエトポシド+シスプラチン(EP)併用療法で多く発現が確認されました」と結論を述べている。

Effectiveness of Etoposide and Cisplatin vs Irinotecan and Cisplatin Therapy for Patients With Advanced Neuroendocrine Carcinoma of the Digestive System: The TOPIC-NEC Phase 3 Randomized Clinical Trial(JAMA Oncol. 2022 Aug 18. doi: 10.1001/jamaoncol.2022.3395.)

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