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局所進行性または再発/転移性皮膚扁平上皮がんに対するキイトルーダ単剤療法、客観的奏効率35.2%と50.0%を示す

[公開日] 2021.08.05[最終更新日] 2021.08.05

この記事の3つのポイント ・局所進行性または再発/転移性皮膚扁平上皮がん患者が対象の第2相試験 ・キイトルーダ単剤療法の有効性・安全性を検証 ・客観的奏効率は局所進行性群で50.0%、再発/転移性群で35.2%であった

2021年7月21日、医学誌『Annals of Oncology』にて局所進行性または再発/転移性皮膚扁平上皮がん(cSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬であるキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ、以下キイトルーダ)単剤療法の有効性、安全性を検証した第2相のKEYNOTE-629試験(NCT03284424)の結果がRoyal Brisbane and Women’s Hospital The Prince Charles HospitalのB.G.M. Hughes氏らにより公表された。

KEYNOTE-629試験は、皮膚扁平上皮がん(cSCC)患者(N=159人)に対して3週を1サイクルとしてキイトルーダ200mg単剤療法を最大35サイクル投与し、主要評価項目として客観的奏効率(ORR;完全奏効率+部分奏効率として定義)、副次評価項目として奏効持続期間(DOR)、病勢コントロール率(DCR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性などを検証したオープンラベル非無作為化多施設共同の第2相試験である。なお、内訳は局所進行性(LA)群が54人、再発/転移性(R/M)群が105人である。

本試験が開始された背景として、再発/転移性皮膚扁平上皮がん(cSCC)に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は臨床的意義のある抗腫瘍効果を示しており、有害事象(AE)も管理可能である。

本試験の結果、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は局所進行性(LA)群で50.0%(95%信頼区間:36.1~63.9%)を示し、奏効の内訳は完全奏効率(CR)16.7%、部分奏効率(PR)33.3%であった。また、再発/転移性(R/M)群における客観的奏効率(ORR)は35.2%(95%信頼区間:26.2~45.2%)を示し、奏効の内訳は完全奏効率(CR)10.5%、部分奏効率(PR)24.8%であった。

副次評価項目である奏効持続期間(DOR)中央値は局所進行性(LA)群、再発/転移性(R/M)群ともに未到達を示した。グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は11.9%を示した。

以上のKEYNOTE-629試験の結果よりB.G.M. Hughes氏らは「局所進行性または再発/転移性皮膚扁平上皮がん(cSCC)患者に対する抗PD-1抗体薬キイトルーダ単剤療法は、持続的で良好な抗腫瘍効果を予期せぬ有害事象(AE)を発症することなく示しました」と結論を述べている。

Pembrolizumab for locally advanced and recurrent/metastatic cutaneous squamous cell carcinoma (KEYNOTE-629 Study): an open-label, nonrandomized, multicenter, phase 2 trial(Ann Oncol. 2021 Jul 19;S0923-7534(21)02186-4. doi: 10.1016/j.annonc.2021.07.008.)
ニュース 皮膚がん キイトルーダ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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