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早期トリプルネガティブ乳がん患者に対する術前/術後化学療法後のカペシタビン、無病生存率を有意に改善せず

[公開日] 2019.12.23[最終更新日] 2019.12.23

この記事の3つのポイント ・早期トリプルネガティブ乳がん患者が対象の第3相試験
・術前/術後化学療法後のカペシタビン療法の有効性・安全性を経過観察と比較検証
・カペシタビン群で無病生存のリスクを18%減少したが、統計学的な有意差は確認されず

2019年12月5日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて早期トリプルネガティブ乳がん患者に対する術前/術後化学療法後のカペシタビン療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のGEICAM/2003-11_CIBOMA/2004-01試験の結果がUniversity of ValenciaのAna Lluch氏らにより公表された。

本試験は、術前/術後化学療法後の早期トリプルネガティブ乳がん患者に対してカペシタビン単剤療法を投与する群(N=448人)、または経過観察をする群(N=428人)に無作為に振り分け、主要評価項目として無病生存率(DFS)を比較検証した第3相試験である。

本試験が実施された背景として、早期トリプルネガティブ乳がん患者の3年無病生存率(DFS)はステージIで8%、ステージIIで15%、ステージIIIで40%存在する。そのため、現在の標準治療よりも有効な新たな治療選択肢を開発する必要がある。以上の背景より、術前/術後化学療法後の早期トリプルネガティブ乳がん患者に対するカペシタビン単剤療法の有用性が本試験で検証された。

本試験に登録された患者背景は下記の通り。

年齢中央値
カペシタビン群=50.0歳
経過観察群=49.0歳

人種
カペシタビン群=白人 69.9%、ヒスパニック系 23.9%、アフリカンアメリカン 3.6%
経過観察群=白人 72.2%、ヒスパニック系 22.7%、アフリカンアメリカン 2.6%

進行病期
カペシタビン群=ステージI 13.8%、ステージII 60.3%、ステージIII 23.7%
経過観察群=ステージI 17.3%、ステージII 63.3%、ステージIII 18.7%

リンパ節転移ステータス
カペシタビン群=陰性 54.5%
経過観察群=陰性 56.5%

前治療歴の種類
カペシタビン群=術後化学療法 78.8%
経過観察群=後化学療法 82.2%

以上の背景を有する患者に対する本試験のフォローアップ期間中央値7.3年時点における結果は下記の通りである。主要評価項目である無病生存率(DFS)は経過観察群に比べてカペシタビン群で無病生存(DFS)のリスクを18%減少(HR:0.82,95%信頼区間:0.63-1.06,P = .136)するも両群間で統計学有意な差は確認されなかった。なお、5年無病生存率(DFS)はカペシタビン群79.6%(95%信頼区間:75.8%-83.4%)に対して経過観察群76.8%(95%信頼区間:72.7%-80.9%)を示した。なお、サブグループ解析の結果より、カペシタビン群における無病生存(DFS)のリスクは非nonbasal型のハザード比0.53に対してnonbasal型のハザード比0.94を示した。

一方の安全性として、全グレードの有害事象(AE)発症率はカペシタビン群95.4%に対して経過観察群63.8%、グレード3以上の有害事象(AE)発症率はカペシタビン群40.6%に対して経過観察群15.5%、重篤な有害事象(SAE)発症率はカペシタビン群5.3%に対して経過観察群1.4%を示した。

以上のGEICAM/2003-11_CIBOMA/2004-01試験の結果よりAna Lluch氏らは以下のように結論を述べている。”早期トリプルネガティブ乳がん患者に対する術前/術後化学療法後のカペシタビン単剤療法は、経過観察に比べて無病生存率(DFS)を統計学有意に改善はしませんでした。しかしながら、非nonbasal型早期トリプルネガティブ乳がん患者に対するカペシタビン単剤療法は無病生存率(DFS)を改善する可能性が示唆されました。”

Phase III Trial of Adjuvant Capecitabine After Standard Neo-/Adjuvant Chemotherapy in Patients With Early Triple-Negative Breast Cancer (GEICAM/2003-11_CIBOMA/2004-01)(Lancet Oncol. 2019 Dec 3. pii: S1470-2045(19)30735-1. doi: 10.1016/S1470-2045(19)30735-1.)
ニュース 乳がん トリプルネガティブ乳がん

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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