・海外第3相MAIA試験ではレナリドミドとデキサメタゾン療法への上乗せ効果を検討
・同試験の結果は第60回米国血液学会年次総会で発表されている
4月5日、ヤンセンファーマ株式会社は、抗CD38抗体ダラツムマブ(商品名ダラザレックス)のレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用投与(DRd)について、未治療を含む「多発性骨髄腫」の効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を申請した。
ダラザレックスは、海外第3相臨床試験「MMY3008試験、MAIA」(NCT02252172)において、レナリドミドとデキサメタゾン(Rd)療法への上乗せ効果を検討している。MAIA試験は、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者737名(45~90歳、年齢中央値73歳)を対象とする第3相無作為化、非盲検、多施設共同試験。被験者は、ダラザレックスをレナリドミドおよびデキサメタゾンと併用で投与する群(DRd群)と、レナリドミドとデキサメタゾンのみを単独で投与する群(Rd群)に無作為に割り付けられた。
いずれの治療群の被験者に対しても、疾患の進行又は許容できない毒性が認められるまで治療薬の投与が継続される。試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)。これらの結果は、2018年12月に米・カリフォルニアで開催された第60回米国血液学会(ASH)年次総会で発表されている。
CD38を標的とするモノクローナル抗体のダラザレックスは、病期にかかわらず多発性骨髄腫細胞の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することで機能する。ダラザレックスがCD38に結合すると、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞貪食(ADCP)およびFcγ受容体結合を介するアポトーシス誘導など複数の免疫介在性の作用機序によって腫瘍細胞死がもたらされる。また、CD38陽性の免疫抑制性細胞の除去による免疫調節作用も明らかにされており、これらの相乗効果により優れた抗腫瘍効果を示すと考えられている。