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標準化学療法不応後の進行性大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチン併用、無増悪生存期間と全生存期間を改善

[公開日] 2019.02.13[最終更新日] 2019.02.13

この記事の3つのポイント ・標準化学療法不応後の進行性大腸がん患者が対象の第2相試験
・ロンサーフ+アバスチン併用療法の有効性を比較検証
・無増悪生存期間と全生存期間を改善し、忍容性も問題なかった

2019年1月17日~1月19日まで米国・サンフランシスコで開催された消化器がんシンポジウム(ASCO GI 2019)にて標準化学療法不応後の進行性大腸がん患者に対するトリフルリジン・チピラシル塩酸塩(商品名ロンサーフ;以下ロンサーフ)+ベバシズマブ(商品名アバスチン;以下アバスチン)併用療法の有効性を比較検証した第2相試験(2016-005241-23)の結果がOdense University HospitalのPer Pfeiffer氏らにより公表された。

本試験は、標準化学療法不応後の進行性大腸がん患者(N=80人)に対して28日を1サイクルとして1~5、8~12日目に1日2回ロンサーフ35mg/m2単剤療法を投与する群、または28日を1サイクルとして1~5、8~12日目に1日2回ロンサーフ35mg/m2+1、15日目にアバスチン5mg/kg併用療法を投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)を比較検証した第2相試験である。

本試験が実施された背景として医師主導の第1/2相試験(C-TASK FORCE)にて、小規模試験でながら標準治療不応後の進行性大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチン併用療法の有効性が確認されているためである。

本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はロンサーフ単剤群2.6ヶ月に対してロンサーフ+アバスチン併用群5.9ヶ月、ロンサーフ+アバスチン併用群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを49%減少(HR:0.51,95%信頼区間:0.28-0.92,P=0.03)した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はロンサーフ単剤群7.3ヶ月に対してロンサーフ+アバスチン併用群10.3ヶ月、ロンサーフ+アバスチン併用群で死亡(OS)のリスクを58%減少(HR:0.42,95%信頼区間:0.18-0.99,P=0.05)した。

一方の安全性として、ロンサーフ+アバスチン併用群で多く確認された治療関連有害事象(TRAE)としてはグレード3/4の好中球減少症56%(ロンサーフ単剤群30%、P=0.03)、発熱性好中球減少症3人(ロンサーフ単剤群0人)であった。

以上の第2相試験の結果よりOdense University Hospital・Per Pfeiffer氏らは以下のように結論を述べている。”標準化学療法不応後の進行性大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチン併用療法は、ロンサーフ単剤療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を改善し、忍容性も問題ありませんでした。”

Randomized study evaluating trifluridine/tipiracil (TAS-102) versus + trifluridine/tipiracil + bevacizumab as last-line therapy in patients with chemorefractory unresectable metastatic colorectal cancer (mCRC).(ASCO GI 2019, Presented Saturday, January 19, 2019)

ニュース 大腸がん 2016-005241-23

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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