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再発難治性末梢性T細胞リンパ腫/皮膚T細胞性リンパ腫患者に対するPI3K阻害薬Duvelisib+HDAC阻害薬イストダックス、奏効率55%を示す

[公開日] 2018.12.28[最終更新日] 2018.12.28

この記事の3つのポイント ・再発難治性末梢性T細胞リンパ腫と皮膚T細胞性リンパ腫患者対象の第I相試験 ・デュベリシブ+イストダックス併用療法の客観的奏効率や安全性などを検証 ・高い抗腫瘍効果があり安全性も良好なため有望な治療選択肢になり得る可能性あり
2018年12月1日より4日まで米国・サンディエゴで開催されている第60回米国血液学会(ASH)にて、再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)または皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)患者に対するPI3K阻害薬であるデュベリシブ+HDAC阻害薬であるロミデプシン(商品名イストダックス;以下イストダックス)併用療法の有効性、安全性を検証した第I相試験の結果がMemorial Sloan Kettering Cancer Center・Steven Horwitz氏らにより公表された。 本試験は、再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)または皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)患者(N=38人,PTCL27人、CTCL11人)に対して28日を1サイクルとして1日2回デュベリシブ75mg+1、8、15、28日目にイストダックス10mg/㎡併用療法を投与し、評価項目として客観的奏効率(ORR)、安全性などを検証した多施設共同の第I相試験である。 本試験の結果、客観的奏効率(ORR)は55%を示し、その内訳は完全奏効(CR)は9人、部分奏効(PR)は12人の患者で確認された。なお、再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)、皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)別の結果は以下の通りである。 再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)群における客観的奏効率(ORR)は59%(N=16/27人) その内訳は完全奏効(CR)は9人、部分奏効(PR)は7人の患者で確認された。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は6.72ヶ月を示した。 再発難治性皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)群における客観的奏効率(ORR)は45%(N=5/11人) その内訳は部分奏効(PR)が11人の患者で確認された。また、無増悪生存期間(PFS)中央値は5.41ヶ月を示した。 一方の安全性として、最も多くの患者で確認されたグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は好中球減少症33%、下痢15%、ALT上昇13%であった。 以上の第I相試験の結果より、Steven Horwitz氏らは以下のように結論を述べている。“再発難治性末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)/皮膚T細胞性リンパ腫(CTCL)患者に対するデュベリシブ+イストダックス併用療法は高い抗腫瘍効果を示し、安全性も良好でした。デュベリシブ+イストダックス併用療法は本患者に対する有望な治療選択肢になり得る可能性がありますので、今後もさらなる臨床試験を実施する必要があります。” 683 The Combination of Duvelisib, a PI3K-δ,γ Inhibitor, and Romidepsin Is Highly Active in Relapsed/Refractory Peripheral T-Cell Lymphoma with Low Rates of Transaminitis: Results of Parallel Multicenter, Phase 1 Combination Studies with Expansion Cohorts
ニュース 悪性リンパ腫 デュベリシブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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