• 検索
  • 相談
  • お知らせ
    3
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

RAS野生型転移性大腸がん中国人患者に対するFOLFOX4+アービタックス、無増悪生存期間(PFS)を統計学有意に延長する

[公開日] 2018.09.28[最終更新日] 2018.09.28

この記事の3つのポイント ・中国人未治療RAS野生型大腸がん患者を対象した試験 ・FOLFOX4+アービタックスの有効性をFOLFOX4と比較検証した ・FOLFOX4併用療法に比べて無増悪生存期間などの項目で統計学的有意であった
2018年9月10日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にてRAS野生型転移性大腸がん中国人患者に対するFOLFOX4+抗EGFR抗体薬であるセツキシマブ(商品名アービタックス;以下アービタックス)併用療法の有効性を比較検証した第III相のTAILOR試験(NCT01228734)の結果がEast Hospital of Tongji University・Jin Li氏らにより公表された。 TAILOR試験とは、RAS野生型転移性大腸がん中国人患者(N=393人)に対してFOLFOX4+アービタックス併用療法を投与する群、またはFOLFOX4併用療法を投与する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)などを比較検証した多施設共同の第III相試験である。 本試験が実施された背景として、RAS野生型転移性大腸がん患者に対するファーストラインとしてFOLFOX4+アービタックス併用療法の有効性を検証しだ第III相の臨床試験が過去に存在しなかったためである。過去の臨床試験では、OPUS試験においてKRAS野生型転移性大腸がん患者に対するファーストラインとしてFOLFOX+アービタックス併用療法が、FOLFOX併用療法よりも無増悪生存期間(PFS)、全奏効率(ORR)を改善し、後ろ向き解析によりRAS野生型を対象にしても改善を示したが、本試験は第II相試験であった。 本試験に登録された患者背景は下記の通りである。年齢中央値はFOLFOX4+アービタックス群で56.0歳(21-83歳)に対してFOLFOX4群で56.0歳(21-78歳)。性別はFOLFOX4+アービタックス群で男性65.8%、女性34.2%に対してFOLFOX4群で男性69.5%、女性30.5%。ECOG Peformance StatusはFOLFOX4+アービタックス群でスコア0が32.6%、スコア1が67.4%に対してFOLFOX4群でスコア0が33.0%、スコア1が67.0%。 転移個数はFOLFOX4+アービタックス群で1個37.3%、2個42.0%、3個14.0%、4個以上6.7%に対してFOLFOX4群で1個40.0%、2個31.5%、3個18.0%、4個以上10.5%。肝転移のみ症例はFOLFOX4+アービタックス群で26.9%に対してFOLFOX4群で28.0%。BRAF遺伝子変異ステータスはFOLFOX4+アービタックス群で変異型14.0%、野生型86.0%に対してFOLFOX4群で変異型12.5%、野生型87.5%。以上のように、両群間で患者背景に大きな偏りはなかった。 本試験の結果、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はFOLFOX4+アービタックス群9.2ヶ月に対してFOLFOX4群7.4ヶ月、FOLFOX4+アービタックス群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを31%統計学有意に減少(HR:0.69,95%信頼区間:0.54-0.89,P=0.004)した。 また、副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はFOLFOX4+アービタックス群20.7ヶ月に対してFOLFOX4群17.8ヶ月、FOLFOX4+アービタックス群で死亡(OS)のリスクを24%統計学有意に減少(HR:0.69,95%信頼区間:0.61-0.96,P=0.02)した。全生存期間(OS)同様に、全奏効率(ORR)もFOLFOX4+アービタックス群61.1%に対してFOLFOX4群39.5%、FOLFOX4+アービタックス群で奏効率が統計学有意に高率(OR:2.41,95%信頼区間:1.61-3.61,P<.001))であった。 一方の安全性として、主なグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)としてはFOLFOX4+アービタックス群で好中球減少症61.9%、リンパ球減少症26.8%、皮膚障害13.9%に対してFOLFOX4群で好中球減少症43.2%、リンパ球減少症21.1%、皮膚障害0%であった。なお、グレード3の発熱性好中球減少症が両群ともに1%の患者で確認されている。 以上のTAILOR試験の結果よりJin Li氏らは以下のように結論を述べrている。”RAS野生型転移性大腸がん中国人患者に対するFOLFOX4+アービタックス併用療法は、FOLFOX4併用療法に比べて無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、全奏効率(ORR)ともに良好な結果を示しました。” Efficacy and Tolerability of First-Line Cetuximab Plus Leucovorin, Fluorouracil, and Oxaliplatin (FOLFOX-4) Versus FOLFOX-4 in Patients With RAS Wild-Type Metastatic Colorectal Cancer: The Open-Label, Randomized, Phase III TAILOR Trial(DOI: 10.1200/JCO.2018.78.3183 Journal of Clinical Oncology)
ニュース 大腸がん NCT01228734

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る

電話受付:平日(月〜金)10:00-18:00

2025年08月22日
ニュース 大腸がん
2025年08月21日
ニュース 膀胱がん
2025年08月21日
ニュース 卵巣がん
2025年08月20日
ニュース 乳がん 高齢
2025年08月20日
ニュース 腎臓がん
2025年08月19日
ニュース 腎臓がん
2025年08月18日
ニュース 膀胱がん
2025年08月18日
ニュース 多発性骨髄腫
2025年08月15日
ニュース 乳がん
2025年08月15日
ニュース 胃がん