この記事の3つのポイント
・脳転移を有する未治療悪性黒色腫(メラノーマ)の患者が対象の第Ⅱ相試験
オプジーボ+ヤーボイ併用療法の頭蓋内への有用率を検証した
・頭蓋内の完全奏効率、部分奏効率、6か月以上の病勢安定の項目で高率を示した

2018年8月23日、医学誌『The New England Journal of Medicine』にて未治療の無症候性脳転移を有する転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-1抗体薬であるニボルマブ(商品名オプジーボ;以下オプジーボ)+抗CTLA4抗体薬であるイピリムマブ(商品名ヤーボイ;以下ヤーボイ)併用療法の有効性を検証した第II相のCheckMate204(NCT02320058)試験の結果がMD Anderson Cancer Center・Hussein A. Tawbi氏らにより公表された。

CheckMate204試験とは、少なくとも1ヶ所以上の腫瘍径0.5cmから3.0cmの無症候性脳転移が1カ所以上ある患者に対して3週を1サイクルとして1日目にオプジーボ1mg/kg+1日目にヤーボイ3mg/kg併用療法を4サイクル投与し、その後2週を1サイクルとして1日目にオプジーボ3mg/kg単剤療法を病勢進行または予期せぬ毒性発現するまで投与し、主要評価項目として頭蓋内の臨床的有用率(完全奏効、部分奏効、または6ヶ月以上の病勢安定)を検証した多施設共同の第II相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値14.0ヶ月時点における結果、主要評価項目である頭蓋内の臨床的有用率57%(95%信頼区間:47%-68%)を示し、半数以上の患者でオプジーボ+ヤーボイ併用療法の有効性が確認された。なお、頭蓋内の臨床的有用率の内訳は完全奏効(CR)率26%、部分奏効(PR)率30%、6ヶ月以上の病勢安定(SD)率は2%であった。

本試験以前、無症候性脳転移を有する転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対する抗PD-1抗体薬、抗CTLA4抗体薬において報告されている頭蓋内の臨床的有用率としてはヤーボイ単剤療法24%(第II相試験:NCT00623766)、抗PD-1抗体薬であるペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ;以下キイトルーダ)単剤療法22%(第II相試験:NCT02085070)であり、本試験で得られた頭蓋内の臨床的有用率より低率であった。

一方の安全性として、全グレードの治療関連有害事象(TRAE)は96%の患者で確認され、その内訳は倦怠感、ALT上昇、皮膚障害、下痢、AST上昇、吐き気、頭痛、甲状腺機能低下症などが多くの患者で確認された。また、グレード3または4の治療関連有害事象(TRAE)は55%の患者で確認され、ALT上昇、AST上昇などが多くの患者で確認された。また、免疫関連副作用irAE)である心筋炎により死亡が1人の患者で確認されている。

なお、オプジーボ、ヤーボイの治療関連有害事象(TRAE)は脳転移のない転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者における安全性プロファイルと一致しており、本試験で新たに確認されたものはなかった。

以上のCheckMate204試験の結果よりHussein A. Tawbi氏らは以下のように結論を述べている。”無症候性脳転移を有する転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対するオプジーボ+ヤーボイ併用療法の頭蓋内の臨床的有用率は高率であり、安全性プロファイルも脳転移のない転移性悪性黒色腫(メラノーマ)患者における内容と一致していた。”

Combined Nivolumab and Ipilimumab in Melanoma Metastatic to the Brain(N Engl J Med 2018; 379:722-730 DOI: 10.1056/NEJMoa1805453)

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