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血液悪性腫瘍患者に対する造血幹細胞移植(HSCT)の認知機能に対する影響

[公開日] 2018.01.15[最終更新日] 2018.01.15

2017年12月18日、医学誌『Journal of Clinical Oncology(JCO)』にて造血幹細胞移植(HSCT)は血液悪性腫瘍患者の認知機能に影響を与えるかどうかを検証した前向き試験の結果がUniversity of Alabama at Birmingham’s Comprehensive Center Center所属のNoha Sharafeldin氏らより公表された。 本試験は、2005年より2011年の間にCity of Hope National Medical Centerで血液悪性腫瘍のために造血幹細胞移植を受けた患者(N=477人)に対して造血幹細胞移植前、造血幹細胞移植後6ヶ月、1年、2年、3年時点において神経心理学テストを実施し、造血幹細胞移植を受けた患者と年齢、性別、所得の条件を調整した健常者(N=99人)との間で違いが出るかどうかを比較検証している。 なお、造血器細胞移植を受けた患者の内訳としては自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)236人、骨髓非破壊的同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)128人、骨髓破壊的同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)113人である。 本試験の結果、自家造血幹細胞移植、骨髓非破壊的同種造血幹細胞移植患者の移植後の神経心理学的スコアは健常者と同様であった。一方で、骨髓破壊的同種造血幹細胞移植を受けた患者の移植後の口頭スピード、処理能力、聴覚記憶などの神経心理学的スコアは健常者に比べて統計学的有意に劣っていた (P ≤ .003) 。 また、骨髓非破壊的同種造血幹細胞移植患者の移植前と比べた移植後6ヶ月の神経心理学的スコアは統計学的有意に変化はしなかったが、骨髓破壊的同種造血幹細胞移植患者の移植前と比べた移植後6ヶ月、3年時点における運動機能、言葉の流暢さ、作業記憶などの神経心理学的スコアは統計学的有意に悪化した (P ≤ .003) 。 本試験を通して、移植後の認知機能障害に関係する患者因子としては高齢、男性、低学歴、低収入であった。また造血幹細胞移植より3年後の認知機能障害発症率は自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)患者で18.7%、同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)患者で35.7%であった。 本試験の結果より、Noha Sharafeldin氏らは以下のように結論を述べている。”骨髓破壊的同種造血幹細胞移植を受けた患者は移植を受けていない健常者に比べて統計学的有意に認知機能が低下することを示しました。また、骨髓非破壊的同種造血幹細胞移植により認知機能の低下を遅らせることを示しました。そして、自家造血幹細胞移植(auto-HSCT)では認知機能の低下は減弱します。” Cognitive Functioning After Hematopoietic Cell Transplantation for Hematologic Malignancy: Results From a Prospective Longitudinal Study(DOI: 10.1200/JCO.2017.74.2270 Journal of Clinical Oncology - published online before print December 18, 2017)
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山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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