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進行性胃がん/食道胃接合部腺がん患者に対するキイトルーダ単剤、化学療法併用療法の奏効率は12〜60%
[公開日] 2017.09.19[最終更新日] 2017.09.19
2017年9月8日から12日までスペイン・マドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)にて、進行性胃がんもしくは食道胃接合部腺がん患者に対するペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)単剤療法、キイトルーダ+化学療法併用療法の抗腫瘍効果についての研究報告がアメリカ・カルフォルニア州のデイヴィッド・ゲフィン医科大学院のZev A. Wainberg氏により発表された。
本報告は、再発または難治性胃がんもしくは食道胃接合部腺がん患者に対してキイトルーダ単剤療法、またはキイトルーダ+化学療法併用療法(シスプラチン+5-FUもしくはカペシタビン)を投与して、主要評価項目である有害事象発症率、有害事象による治療中断率、RECIST v1.1に基づいた客観的奏効率(ORR)を検証した第Ⅱ相のKEYNOTE-059試験(NCT02335411)のアップデート解析の結果である。
本試験は3つのコーホートに分かれており、コーホート1は2レジメン以上の治療施行後の進行性胃がんもしくは食道胃接合部腺がん患者に対するキイトルーダ単剤療法、コーホート2は一次治療としてのキイトルーダ+化学療法(シスプラチン+5-FUもしくはカペシタビン)併用療法、コーホート3は一次治療としてのキイトルーダ単剤療法である。なお、キイトルーダの投与スケジュールは全てのコーホートで200mgを3週に1回静脈投与し、2年間治療を継続している。
本試験の主要評価項目である客観的奏効率(ORR)の結果をコーホート別に分けて紹介する。コーホート1では、客観的奏効率(ORR)は12%(95%信頼区間:8.0-17.0%)であった。また、キイトルーダをはじめ抗PD-1/PD-L1抗体薬の効果予測因子とされるPD-L1発現率別の客観的奏効率(ORR)を解析しており、PD-L1発現率1%以上を陽性、1%未満を陰性と定義した時、PD-L1発現率陽性の患者の客観的奏効率(ORR)は16% (95%信頼区間:11.0-23.0%)、PD-L1発現率陰性の患者の客観的奏効率(ORR)は 6% (95%信頼区間:3.0-13.0%)であった。なお、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は2ヶ月(95%信頼区間:2.0-2.0ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は6ヶ月(95%信頼区間:4.0-7.0ヶ月)であった。
コーホート2では、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は60%(95%信頼区間:39.0-79.0%)であった。また、PD-L1発現率陽性の患者の客観的奏効率(ORR)は73% (95%信頼区間:45.0-92.0%)、PD-L1発現率陰性の患者の客観的奏効率(ORR)は38% (95%信頼区間:9.0-76.0%)であった。なお、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は7ヶ月(95%信頼区間:6.0-11.0ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は14ヶ月(95%信頼区間:9.0-推定不能)であった。
コーホート3では、主要評価項目である客観的奏効率(ORR)は26%(95%信頼区間:12.0-45.0%)であった。なお、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は3ヶ月(95%信頼区間:2.0-6.0ヶ月)、全生存期間(OS)中央値は未到達(95%信頼区間:9.0-21.0ヶ月)であった。
次に、客観的奏効率(ORR)以外の主要評価項目である有害事象発症率、有害事象による治療中断率をコーホート1、コーホート2、コーホート3の順に紹介する。治療に関連したグレード3〜5の有害事象発症率はそれぞれ8%、76%、そして23%であった。また、有害事象による治療中断率はコーホート1で3%、コーホート2で12%であった。
以上の結果より、進行性胃がんもしくは食道胃接合部腺がん患者に対するペムブロリズマブ単剤療法、またはキイトルーダ+化学療法(シスプラチン+5-FUもしくはカペシタビン)併用療法はコントロール可能な安全性、抗腫瘍効果を有することが証明された。
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