目次
治療歴のある局所進行又は転移性のHER2陽性胃癌(胃食道接合部の腺癌を含む)患者を対象とした,trastuzumab emtansine(T-DM1)の有効性及び安全性をタキサン(ドセタキセル又はパクリタキセル)と比較検討するランダム化,多施設共同,アダプティブ第II/III相試験
対象がん腫 | 胃がん、食道胃接合部がん |
フェーズ | P2/3 |
実施期間 | 2012年8月31日~2015年9月30日 |
実施国 | 日本、韓国、台湾、中国、シンガポール、マレーシア フィリピン、アメリカ、カナダ、メキシコ、アルゼンチン ブラジル、パナマ、ペルー、グアテマラ、ベルギー、チェコ フィンランド、フランス、ハンガリー、イタリア、ポーランド ルーマニア、ロシア、スペイン、トルコ、イギリス |
目標症例 | 412 |
状況 | 募集終了 |
手法 | 多施設共同,ランダム化,アダプティブ試験、非盲検 |
被験薬名 | RO5304020 (T-DM1) (一般名トラスツズマブ エムタンシン:、商品名:カドサイラ) |
種類 | 抗体薬物複合体:分子標的薬(HER2阻害薬)+チューブリン重合阻害剤(DM1) |
投与経路 | 静脈点滴 |
試験概要
<専門的な説明>
HER2陽性の胃癌患者を対象として、RO5304020(T-DM1)の有効性および安全性を、タキサン系薬剤と比較する。<一般的な説明>
がん細胞にHER2という遺伝子およびタンパク質が多く存在する進行胃がん患者を対象とした試験です。RO05304020(T-DM1)という薬剤とタキサン系の薬剤をどちらを使用しているかわかる状態で使用頂き、効果と安全性を確認します。治験薬剤の説明
<専門的な説明>
「T-DM1(商品名カドサイラ)」は、世界でいち早く個別化医療に取り組んだF. ホフマン・ラ・ロシュ社の抗HER2ヒト化モノクローナル抗体であるトラスツズマブと細胞傷害性を有するチューブリン重合阻害剤DM1が安定したリンカーにより結合した抗体薬物複合体です。HER2陽性がんでは、がん細胞表面にHER2タンパクが過剰に発現し、増殖シグナルを細胞内に送っています。「T-DM1(カドサイラ)」はこのHER2タンパクを標的とするように設計されており、トラスツズマブによるHER2シグナル伝達の阻害と抗体依存性細胞傷害作用を発揮するとともに、チューブリン重合阻害剤DM1を直接HER2陽性のがん細胞の内部に送達し、これらのがん細胞を破壊します。 中外製薬ニュースリリースより:http://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20140417150000.html<一般的な説明>
T-DM1はトラスツズマブというHER2というタンパク質を標的とする分子標的薬です。分子標的薬の長所はそのタンパク質を保有する細胞しか攻撃しないところですが、従来の抗がん剤よりも効果が弱いといわれています。一方、細胞傷害性抗がん剤はより細胞を壊すことに長けていますが、正常な細胞も無差別に攻撃してしまうことが問題となります。T-DM1はトラスズマブ(T)にDM1という細胞傷害性抗がん剤を結合させた薬剤となり、いわばホーミングミサイルの弾頭をより強力的なものを搭載したものといえます。主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- 進行胃がんの方であり,薬剤療法の1次治療中又はそれ以降に病勢進行が確認されていなけれる方
- HER2陽性であることが中央判定で確認されている方
この試験の対象とならない方
- RO5304020(T-DM1),ドセタキセル(商品名タキソテール)又はパクリタキセル(商品名タキソール)の治療歴がある方
- コントロールされていない心肺機能障害(高血圧,重篤な不整脈など)を有する方
- 胃がんの他に重複したがんを有する患者(転移した胃癌のことではありません)