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エンハーツ投与中のHER2陽性転移性乳がんに対するePROとバイタルサインのモニタリング、QOLを有意に改善 JAMA Network Openより

[公開日] 2025.08.26[最終更新日] 2025.08.25

2025年8月15日、医学誌『JAMA Network Open』にて、HER2陽性転移性乳がん患者対するエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)の電子患者報告アウトカム(ePRO)とバイタルサインモニタリングの影響を評価する多施設共同ランダム化試験(PRO-DUCE試験)の結果が報告された。

試験デザイン

対象

2024年12月31日までの間に日本の38の施設において、エンハーツ投与の対象となるHER2陽性転移性乳がん

治療法(レジメン)

モニタリング群:スマートフォンまたはタブレットを用いて、毎週の症状報告と毎日の体温および経皮酸素飽和度データを記録(症状またはバイタルサインの閾値を超えた場合、医療スタッフにアラートが送信)(n=56) 標準ケア群:各受診時の医療従事者との対面による診察、検査など(電子機器を用いたモニタリングはなし)(n=55)

評価項目

主要評価項目:全般的な健康状態(GHS)またはQOL(Quality of Life)スコアの、ベースラインから24週目までの変化 副次評価項目:機能・症状のベースラインからの変化、生存アウトカムなど

結果

有効性

主要評価項目であるGHSは、24週目において、標準ケア群と比較してモニタリング群でQOLの悪化が有意に抑制された。標準ケア群でQOLの悪化(平均変化:−10.4点)が見られたのに対し、モニタリング群では悪化が軽減された(平均変化:−2.4点)。群間の平均差は8.0点(90%信頼区間:0.2-15.8、p=0.09)で統計的にも有意な差であった。 機能尺度は、モニタリング群では、役割機能(平均差:10.0)、認知機能(6.3)、および社会機能(10.9)の改善が認められた。 また症状尺度は、モニタリング群では、疲労スコアが低かった(平均差 -8.4)が、吐き気・嘔吐スコアは両群で同程度であった。 無増悪生存期間(PFS)、治療中止までの期間(TTF)、全生存期間(OS)などに関しては、両群で有意な差はなかった。

安全性

結論

エンハーツを投与されたHER2陽性乳がんを対象としたモニタリング戦略は、QOLの維持や悪化の予防につながった。 生存転帰に影響はなかったものの、このモニタリング戦略は患者中心のケアを強化する可能性を秘めている。 参照元: Electronic Patient-Reported Outcomes With Vital Sign Monitoring During Trastuzumab Deruxtecan Therapy: The PRO-DUCE Randomized Clinical Trial(JAMA Netw Open. 2025 DOI:10.1001/jamanetworkopen.2025.27403.)
ニュース 乳がん ePROHER2エンハーツトラスツズマブ デルクステカン

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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