• 検索
  • お問い合わせ
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに対するプルヴィクト等が二部会を通過 薬事・食品衛生審議会(医薬品第二部会)より

[公開日] 2025.08.26[最終更新日] 2025.08.25

8月22日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催された。同部会において、審議事項のうち8製品が、また報告事項のうち8製品が抗がん剤関連であった。

審議品目

リブロファズ配合皮下注(アミバンタマブ(遺伝子組換え)/ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)

申請企業:ヤンセンファーマ 効能・効果: 「EGFR遺伝子エクソン20挿入変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんおよびEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新医療用配合剤 EGFRとMETを標的とする二重特異性抗体ライブリバント点滴静注とrHuPH20製剤を組み合わせることで、皮下投与を可能としたもの。rHuPH20は、医薬品の皮下投与を促進するために使われる組換えヒトヒアルロニダーゼであり、皮下組織に存在するヒアルロン酸を一時的に分解することで、薬剤の吸収と拡散を助ける役割を持っている。 なおライブリバント点滴静注は、EGFRのCommon mutationに対してもラズクルーズ(一般名:ラゼルチニブ)との併用で使用可能となっている。

テセントリク点滴静注840mg、同点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)

申請企業:中外製薬 効能・効果: 「再発又は難治性の節外性NK/T細胞リンパ腫・鼻型」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品 抗P-L1抗体薬。医師主導の国内第2相ATTACK試験の成績に基づいて承認申請された。 鼻腔に多く発症する悪性リンパ腫の一つで、日本では悪性リンパ腫の約0.68%を占めるとされている。進行期では初回治療後も約6割で再発が認められ、標準治療は確立されていない。

ボラニゴ錠10mg、同錠40mg(ボラシデニブクエン酸水和物)

申請企業:日本セルヴィエ 効能・効果: 「IDH1又はIDH2遺伝子変異陽性の神経膠腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品 変異型イソクエン酸脱水素酵素(IDH)1及び2に対する初の選択的阻害剤。がんの増殖などの原因であるイソクエン酸を2-ヒドロキシグルタル酸(2-HG)の産生が抑制される。 国際共同第3相INDIGO試験などの結果に基づいて承認申請された。

ヘルネクシオス錠60mg(ゾンゲルチニブ)

申請企業:日本ベーリンガーインゲルハイム 効能・効果: 「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品 経口HER2特異的チロシンキナーゼ阻害剤。 国内では、「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を対象に、抗体薬物複合体エンハーツ点滴静注(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)が既に承認されているが、ヘルネクシオスは同適応を持つ初の経口薬である。 HER2遺伝子変異陽性の切除不能または転移性の固形腫瘍を対象に単剤療法を評価した第1相非盲検化Beamion LUNG-1試験のデータに基づいて承認申請された。

イブトロジーカプセル200mg(タレトレクチニブアジピン酸塩)

申請企業:日本化薬 効能・効果: 「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品 次世代の選択的経口ROS1阻害剤。同適応に対する国内の承認薬は、ザーコリ(一般名:クリゾチニブ)、ロズリートレク(一般名:エヌトレクチニブ)、オータイロ(一般名:レポトレクチニブ)に続く4剤目である。 第2相TRUST-II試験に基づいて承認申請されており、未治療の症例に加えて既に他のROS1阻害剤の治療歴がある症例に対しても効果が期待されている。

プルヴィクト静注(ルテチウムビピボチドテトラキセタン(177Lu))

申請企業:ノバルティスファーマ 効能・効果: 「PSMA陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品

ロカメッツキット(ゴゼトチド)

申請企業:ノバルティスファーマ 効能・効果: 「PSMA標的療法の前立腺がん患者への適応判定の補助」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品

ガリアファーム68Ge/68Gaジェネレータ(ガリウム(68Ga)ジェネレータ

申請企業:ノバルティスファーマ 効能・効果: 「陽電子放出断層撮影(PET)イメージングのために承認された被標識用製剤のガリウム(68Ga)標識」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品 膜貫通型タンパク質である前立腺特異的膜抗原(PSMA)を標的とした放射性リガンド療法(RLT)。PSMAを発現する標的がん細胞に結合し、放射性同位元素からのエネルギー放出により標的細胞や近傍の細胞を損傷し、細胞の増殖を阻害する。 また、同時に承認となったロカメッツキットとガリアファームは、PSMAの標識に使われる。

報告品目

リブタヨ点滴静注350mg(セミプリマブ(遺伝子組換え))

申請企業:リジェネロン・ジャパン 効能・効果: 「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を効能・効果とする新効能医薬品 抗PD-1抗体薬であり、既に国内においては「がん化学療法後に増悪した進行又は再発の子宮頸がん」を対象として承認されている。

デノスマブBS皮下注120mgRM「F」(デノスマブ(遺伝子組換え))

申請企業:富士製薬工業 効能・効果: 「多発性骨髄腫による骨病変及び固形がん骨転移による骨病変」を効能・効果とするバイオ後続品 骨吸収に関わる破骨細胞およびその前駆細胞の表面に発現する受容体であるRANKを介して、破骨細胞の形成、や機能を調節するタンパク質であるRANKLに対する抗体薬。 既に承認されているヒト型IgG2モノクローナル抗体薬であるランマーク(一般名:デノスマブ)の初のバイオ後続品(BS)である。

イミフィンジ点滴静注120mg、同点滴静注500mg(デュルバルマブ(遺伝子組換え))

申請企業:アストラゼネカ 効能・効果: 「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法、膀胱がんにおける術前・術後補助療法」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品 抗PD-L1阻害剤。非小細胞肺がんについては第3相AEGEAM試験、膀胱がんについては第3相NIAGARA試験の結果に基づきそれぞれ承認申請された。 なお非小細胞肺がんの周術期がん免疫療法においては、テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)が「PD-L1陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法」として、またオプジーボ(一般名:ニボルマブ)が「非小細胞肺がんにおける術前補助療法」として、更にキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)が「非小細胞肺がんにおける術前・術後補助療法」として承認されている。 一方、膀胱がんの周術期がん免疫療法薬においては、オプジーボが「尿路上皮がんにおける術後補助療法」として承認されている。

テセントリク点滴静注840mg、同点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))

申請企業:中外製薬 効能・効果: 「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、PD-L1陽性の非小細胞肺がんにおける術後補助療法、進展型小細胞肺がん、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を対象疾患とする新用量医薬品。 従来の3週間隔投与に加えて、4週間隔投与が可能となった。

ルマケラス錠120mg(ソトラシブ)

申請企業:アムジェン 効能・効果: 「がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品 ※詳細は下記、ベクティビックスの項に記載

ベクティビックス点滴静注100mg、同点滴静注400mg(パニツムマブ(遺伝子組換え))

申請企業:武田薬品工業 効能・効果: 「がん化学療法後に増悪したKRASG12C変異陽性の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品 ルマケラスはKRAS G12C阻害剤、ベクティビックスは抗EGFR抗体であり、いずれも既に国内で承認されている薬剤である。 今回の承認申請は、併用投与に関する効能と用量を追加するものであり、ルマケラスの2用量(240mgまたは960mg)とベクティビックスの併用療法を評価した国際共同第3相CodeBreaK300試験の結果に基づくものである。

ジャイパーカ錠50mg、同錠100mg(ピルトブルチニブ)

申請企業:日本イーライリリー 効能・効果: 「他のBTK阻害剤に抵抗性又は不耐容の再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)」を対象疾患とする新効能医薬品 可逆的非共有結合型BTK阻害剤。既存のBTK阻害剤とは結合部位や様式が異なることから、既存薬による治療歴がある症例に対しても効果が期待されている。 なお国内において、イムブルビカ(イブルチニブ)、カルケンス(アカラブルチニブ)、ブルキンザ(ザヌブルチニブ)が慢性リンパ性白血病を対象に既に承認されている。

ライアットMIBG-I 131静注(3-ヨードベンジルグアニジン(131I))

申請企業:PDRファーマ 効能・効果: 「MIBG集積陽性の神経芽腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品 ノルアドレナリンに類似した構造を持つMIBGのヨウ素原子を放射性同位体(131I)に置換した放射性医薬品。がん細胞内に取り込まれ、131Iから放出されるベータ線により細胞を障害する。 事前評価済公知申請であり、既に保険適用となっている。 参照元: 厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
ニュース 二部会

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る