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唾液腺がんの検査と診断

[公開日] 2023.01.01[最終更新日] 2025.11.18

唾液腺がんの検査

唾液腺がんの検査では、まず視診、触診によってがんの有無や良性・悪性の判断をします。 がんが疑われた場合には、超音波検査、MRI、CTなどの画像診断を行い、がんの広がりや他の臓器への転移を調べます。 さらに、がんの一部に針を刺してがん細胞を吸引し、得られた細胞を顕微鏡で見ることで組織型を調べる細胞診検査(穿刺吸引細胞診検査)を行います。 しかし、病理組織型の最終的な診断は、手術で摘出された検体を詳しく顕微鏡で観察しないと分かりません。

唾液腺がんの診断と病期(ステージ)分類

唾液腺がんの病期は、T (がんの大きさや周囲への広がり)N(領域リンパ節への転移の有無)M(原発巣から離れた臓器やリンパ節への転移の有無)の3つのカテゴリーによって判断されます。

唾液腺とは

唾液腺は唾液(つば)がつくられる場所で、大唾液腺と小唾液腺に分かれています。 大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺からなり、ここで作られた唾液は管を通じて口腔内に分泌されます。 一方、小唾液腺は口腔粘膜やのどの粘膜の一部に存在しており、直接口腔内に唾液を分泌しています。 唾液腺がんは、唾液腺から発生するがんのことで、大部分は大唾液腺の耳下腺と顎下腺に発生します。 耳下腺は、大部分が耳の前から下の皮膚直下にあり(浅葉)、一部だけ下あごの骨の浦場輪の深いところに入り込んでいます(深葉)。浅葉と深葉の間には顔面神経があり、手術のときに注意が必要です。 顎下腺は、顎の下側、衷心より後ろよりの部分に位置しています。手術のときに注意が必要なものとして、近くに唇や舌を動かす神経や、味を感じるための神経があります。 他の頭頸部がんの多くが単一の組織型であるのに対し、唾液腺がんには20種類以上もの多彩な組織型に分かれているのが特徴です。

唾液腺がんの罹患率

  唾液腺がんは、頭頸部がんの3~5%程度と言われています。

唾液腺がんの原因・症状

唾液腺がんが発生する原因ははっきりとは分かっていません。 耳下腺がんにおいては、耳の下や前の部分が腫れてきます。ごく初期では痛みを伴わないことが多いです。更にがんが神経にまで到達すると、顔面神経の麻痺が起きてきます。 顎下腺がんでは、まず顎の下が腫れてきます。特に痛みを伴う場合には、がんの可能性が疑われます。

唾液腺がんの予後

唾液腺がんは、組織型や悪性度によって、再発・転移のしやすさが異なるため、個々のがんに合わせて、定期的な検査の種類や実施間隔を検討していくことが大切です。
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