唾液腺とは
唾液腺は唾液(つば)がつくられる場所で、大唾液腺と小唾液腺に分かれています。
大唾液腺は耳下腺、顎下腺、舌下腺からなり、ここで作られた唾液は管を通じて口腔内に分泌されます。 一方、小唾液腺は口腔粘膜やのどの粘膜の一部に存在しており、直接口腔内に唾液を分泌しています。
唾液腺がんは、唾液腺から発生するがんのことで、大部分は大唾液腺の耳下腺と顎下腺に発生します。
耳下腺は、大部分が耳の前から下の皮膚直下にあり(浅葉)、一部だけ下あごの骨の浦場輪の深いところに入り込んでいます(深葉)。浅葉と深葉の間には顔面神経があり、手術のときに注意が必要です。
顎下腺は、顎の下側、衷心より後ろよりの部分に位置しています。手術のときに注意が必要なものとして、近くに唇や舌を動かす神経や、味を感じるための神経があります。
他の頭頸部がんの多くが単一の組織型であるのに対し、唾液腺がんには20種類以上もの多彩な組織型に分かれているのが特徴です。
唾液腺がんの罹患率
唾液腺がんは、頭頸部がんの3~5%程度と言われています。
唾液腺がんの原因・症状
唾液腺がんが発生する原因ははっきりとは分かっていません。
耳下腺がんにおいては、耳の下や前の部分が腫れてきます。ごく初期では痛みを伴わないことが多いです。更にがんが神経にまで到達すると、顔面神経の麻痺が起きてきます。
顎下腺がんでは、まず顎の下が腫れてきます。特に痛みを伴う場合には、がんの可能性が疑われます。
唾液腺がんの予後
唾液腺がんは、組織型や悪性度によって、再発・転移のしやすさが異なるため、個々のがんに合わせて、定期的な検査の種類や実施間隔を検討していくことが大切です。