[公開日] 2018.01.23[最終更新日] 2018.01.23
GISTとは
GISTは、消化管の壁にできる悪性腫瘍のひとつ、消化管間質腫瘍(Gastrointestinal Stromal Tumor)のことをいいます。
消化管に発生する一般的な“がん”が粘膜の上皮細胞から発生するのに対し、GISTは粘膜の下にある未熟な間葉系細胞から発生する非上皮性のがん(=肉腫)です。
GISTの罹患率
GISTの発症率に関しては、公表されたデータがありませんが、年間に日本人10万人に対して1人から2人とされており、非常に稀ながんのひとつです。
罹患率に男女差はなく、ほとんどの年齢層で発症し得るがんですが、60歳代がピークと報告されています。
発症部位は、胃が50~70%と最も多く、次いで小腸20~30%、また大腸や食道にできることもあります。
GISTの原因
GISTの発症には、KITまたは類似の構造を持つPDGFRαというタンパク質の関与が知られています。
通常の場合、KITやPDGFRαタンパクは、外からの命令に応じて、細胞に増殖シグナルを伝えています。
しかしながら、KITやPDGFRαをコードする遺伝子に変異が入ることで、外からの命令がないときにも常に増殖シグナルを送り続けます。その結果、細胞が異常に増殖し続け、がん化すると考えられています。
GISTの症状
GISTは初期には無症状であることが多く、また症状が出たとしても、他の疾患との区別がつきにくいためしばしば発見が遅れます。
がんが大きくなってくると、がん病変部位から出血が起こり、吐血や下血、それに伴う貧血が現れてきます。
また、発症部位に応じて、痛みやお腹の張りなどの違和感、しこりなどの症状も出ることがあります。
がん種一覧
GIST
消化管間質腫瘍