GIST(消化管間質腫瘍)の基礎知識


  • [公開日]2018.01.23
  • [最終更新日]2023.08.04

GISTとは

GISTは、消化管の壁にできる悪性腫瘍のひとつ、消化管間質腫瘍(Gastrointestinal Stromal Tumor)のことをいいます。

消化管に発生する一般的な“がん”が粘膜の上皮細胞から発生するのに対し、GISTは粘膜の下にある未熟な間葉系細胞から発生する非上皮性のがん(=肉腫)です。

GISTの罹患率

GISTの発症率に関しては、公表されたデータがありませんが、年間に日本人10万人に対して1人から2人とされており、非常に稀ながんのひとつです。

罹患率に男女差はなく、ほとんどの年齢層で発症し得るがんですが、60歳代がピークと報告されています。

発症部位は、胃が50~70%と最も多く、次いで小腸20~30%、また大腸や食道にできることもあります。

GISTの原因

GISTの発症には、KITまたは類似の構造を持つPDGFRαというタンパク質の関与が知られています。

通常の場合、KITやPDGFRαタンパクは、外からの命令に応じて、細胞に増殖シグナルを伝えています。

しかしながら、KITやPDGFRαをコードする遺伝子変異が入ることで、外からの命令がないときにも常に増殖シグナルを送り続けます。その結果、細胞が異常に増殖し続け、がん化すると考えられています。

GISTの症状

GISTは初期には無症状であることが多く、また症状が出たとしても、他の疾患との区別がつきにくいためしばしば発見が遅れます。

がんが大きくなってくると、がん病変部位から出血が起こり、吐血や下血、それに伴う貧血が現れてきます。

また、発症部位に応じて、痛みやお腹の張りなどの違和感、しこりなどの症状も出ることがあります。

×

リサーチのお願い


会員登録 ログイン