はじめに
本治験は骨髄線維症の方を対象とした、新しいお薬の治験です。 本治験に関して、「もう少し詳しく知りたい」や「参加を検討している」場合は、ページ下部の「お問い合わせ先」よりアンケート、電話、メールいずれかの方法にてお気軽にご連絡ください。 ※医療従事者の方は「医療従事者向けページ」より本治験の概要をご覧ください。治験とは
ある疾患の新たな治療法について検証するヒトを対象とした試験のことです。 開発中の薬剤や治療法等が安全に使用でき、健康状態を改善する効果があるかどうかを確認します。骨髄線維症とは
骨髄線維症は、骨髄に広範な線維化をきたす疾患の総称であり、原因不明の原発性骨髄線維症※1と、基礎疾患に続発する二次性骨髄線維症※2に分けられます。 骨髄は、血液細胞を作る造血幹細胞と、骨髄を支える役割を果たす線維などで構成されています。 造血幹細胞は、骨の中にある骨髄と呼ばれる組織の中で育ち、白血球・赤血球・血小板を日々生み出しています。 骨髄線維症はその中でも特に血小板や白血球の増殖が盛んになり、その結果骨髄の線維化が進んでしまう病気のことです。 ※1 造血幹細胞に遺伝子変異が生じ、骨髄の線維化が進行します。 ※2 種々の疾患に続発しますが、骨血液疾患に続発することが多いです。①異常な細胞発生 ②赤血球、白血球、血小板がうまく機能せず造血ができなくなる ③未熟な細胞増殖 ④刺激を受けると刺激物質増殖 ⑤コラーゲン生成、増殖し線維化 ⑥異常な血液細胞が発生、増殖
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治験薬と治験デザイン
治験薬について
今回使用する治験薬は、これまでに日本で承認されているJAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)とは異なり、PIMキナーゼと呼ばれるたんぱく質を阻害する働きを持つお薬です。PIMキナーゼの働きを抑制することによって、がん細胞のアポトーシス(細胞死)を誘導し、抗がん作用を発揮すると言われています。治験デザインについて
骨髄線維症の患者さんを対象に、治験薬による単剤療法と併用療法の試験を行います。*併用療法試験で用いるJAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)は、日本で既に承認された薬剤です。
*全ての患者さんはプラセボ(有効成分が入っていない偽薬)ではなく、実薬(有効成分が入っているお薬)を経口摂取で服用することができます。
*自分がどの治験薬を服用しているか知ることができます(非盲検試験)。
本治験は、治験薬を経口投与した時の安全性及びお薬が体内に投与されてから排泄されるまでの過程を明らかにすることを目的としています。また、ヒトに適した投与量を調べるため、低用量から治験薬の投与を始め、安全性を見ながら徐々に用量を増やしていきます。
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本治験の参加条件・対象
【併用療法試験】 ・原発性骨髄線維症又は二次性骨髄線維症の方 ・18歳以上の方 ・経口投与ができる方 ・貧血の方 ・JAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)による治療を受けている、又は受けたことがある方 【単剤療法試験】 ・原発性骨髄線維症又は二次性骨髄線維症の方 ・18歳以上の方 ・経口投与ができる方 ・血小板数が25×109/L以上の方 ・JAK阻害薬(ヤヌスキナーゼ阻害薬)による治療をしたが効果が認められなかった方、 又はJAK阻害薬の投与ができない方 【本治験で対象となる骨髄線維症】原発性骨髄線維症
細胞の遺伝子変異により単独で発症する骨髄線維症のこと
二次性骨髄線維症
他の血液の病気が原因となって引き起こされる骨髄線維症のこと。本試験では、二次性骨髄線維症の中でも真正多血症または本態性血小板血症を原因に発症した方が対象となります。