神経膠腫(グリオーマ)の放射線療法

神経膠腫の放射線療法は腫瘍のグレードに関わらず、初めて腫瘍ができた時に選択される治療方法です。神経膠腫の放射線療法は、治療の適応、腫瘍への放射線量や照射範囲が症例によらず、一定の基準で定めている医療施設が多くあります。それは神経膠腫への放射線の照射を行っても感度が低いためです。

神経膠腫に対して放射線療法を行う場合は、総線量が60Gy(グレイ)程度となるように計画することが一般的です。しかしながら神経膠腫に60Gyの放射線療法を行っても再発する可能性が高いです。そのため化学療法も併用して行う治療が多く選択されています。

神経膠腫に60Gyの照射を行う場合、治療期間は約6週間かかります。1度に照射できる線量は2Gyで、30回の照射が必要です。1週間に5回照射することとなります。照射方法は全脳照射が通常選択されます。

全脳照射は腫瘍組織に対して照射が可能ですが、同時に正常な脳細胞にも照射をすることになるため、脳機能が低下する副作用が生じます。特に海馬という認知機能に関わる部分に放射線があたることで、学習機能や記憶力が低下します。

近年では脳機能の低下を防止するべく、定位放射線治療や強度変調放射線治療(IMRT)が試みられるようになりました。定位放射線治療とは、高い精度で腫瘍組織の位置を判断し線量を腫瘍組織に集中させる方法です。

腫瘍組織だけをターゲットにするので、正常な脳細胞にダメージを与えることが少なく、脳機能の低下を抑制できます。小さめの腫瘍が適応となっており、線量を腫瘍に集中させるので少ない治療回数にすることができます。IMRTは腫瘍の形を3次元で把握し、腫瘍の形い合わせて線量を集中させて照射する方法です。

神経膠腫は形が複雑なため、腫瘍組織と正常な脳の組織の判別が難しいです。IMRTは定位放射線療法と同様に脳機能の低下を抑制するとともに、治療期間を短縮できる治療です。

参照元
東京大学医科学研究所付属病院 脳腫瘍外科 
脳腫瘍について 神経膠腫(グリオーマ)


人気記事