あなたは医師ですか。
11月は肺がん啓発月間です!
[公開日] 2015.11.02[最終更新日] 2015.11.02
10月は、世界的な乳がん啓発月間で、街中でも胸元にピンクリボンバッジをつけた方を見かけることもありました。
さて、間もなく11月になります。あまり知られていませんが、11月は世界的な肺がん啓発月間で、シンボルはホワイト(リボン)、米国等ではこれに合わせピンクリボンと同様にさまざまな取り組みも行われます。
ところで、最新のデータによれば日本では1年間に約13万人の方が肺がんに罹患し(第2位)、8万人近い人が肺がんにより亡くなっています。がんの死亡数でいうと、がん種の中で第1位となっています。
<2015年のがん罹患数、死亡数予測>
http://www.ncc.go.jp/jp/information/press_release_20150428.html
今まで、肺がんは予後の厳しい疾患の代表でしたが近年大きな動きが出ています。
皆さんもご存知かもしれませんが、間質性肺炎による死亡例などでメディアを騒がせたゲフィニチブ(イレッサ)ですが、その後、どのような患者さんに有効で安全に効果的に投与できるかなどの研究が進み、今では肺がん治療の重要な位置づけとなっています。
ゲフィニチブ(イレッサ)は、分子標的薬剤と呼ばれ、ALK融合遺伝子やその他に特定の遺伝子にも有効な薬剤にするために開発が進んでいます。
更には、日本発の免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ)といった、これまでの免疫療法を越える新・免疫療法の研究が進んでおり、製薬企業、臨床腫瘍研究を行う医師も慎重に開発を進めています。さらに悪性黒色腫に対して有効であると承認されていた成分が肺がんをはじめ固形腫瘍にも有効であるため、薬剤の研究・開発が進められています。
これまでの抗がん剤、分子標的薬剤にも不適応であった患者さんや、分子標的薬剤が効きにくかった扁平上皮がんの患者さんにも効果を示すことがわかり、大きな期待が寄せられています。一方で、これまでに確認されることの少なかった重篤な副作用も報告され、医師をはじめ、看護師、薬剤師、MSW(医療福祉士)など医療に関わる各専門家たちが一丸となって副作用対策に取り組むことが重要です。
そこで、日本でも11月の肺がん月間にいくつかの取り組みを行います。
(1)11月8日(日)13:00-@東京・秋葉原・UDXシアター
「もっと知ってほしい肺がんのこと2015 in 東京」
手術・放射線・薬物療法(抗がん剤・分子標的薬剤・新しい免疫療法剤)など盛りだくさんです。
「オンコロ」運営元である株式会社クロエ、株式会社クリニカル・トライアルもイベント共催しています。参加費は無料で、司会は世界陸上などでも活躍されている中井美穂さんです。
詳細、お申し込みは以下のURLよりご応募ください。
http://www.cancernet.jp/1108jlcs/
(2)11月26日~28日は第56回日本肺癌学会学術集会が横浜で開催されます。
本学会は「肺がんにおける医療の進歩」の発表や重要な情報を提供しあう事が目的です。
近年、欧米の学会では積極的に患者・家族の方も受け入れており、第56回日本肺癌学会学術集会においても、欧米同様に患者、家族、市民向けのプログラムが用意されています。
さまざまなプログラムが用意されており、この場でしか聞けない講師の講演もありますので、ご参加されてみてはいかがでしょうか?
詳細、お申し込みは以下のURLよりご応募ください。
https://ws.formzu.net/fgen/S39720374/
記事:柳澤 昭浩
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