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「知っているがんの治療法(薬剤系)はどのくらいありますか?」オンコロ・ワンクエスチョンvol.82

[公開日] 2025.07.24[最終更新日] 2025.07.24

オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています! ▼オンコロ・ワンクエスチョンの一覧 友だち追加

質問

「知っているがんの治療法(薬剤系)はどのくらいありますか?」 

結果・解説

がんの治療と聞くと、多くの方が「抗がん剤治療」を思い浮かべるかもしれません。確かに、抗がん剤(化学療法)はがん治療の重要な柱の一つです。しかし、近年の医学の進歩により、お薬によるがん治療は大きく進化し、がんの種類や患者さん一人ひとりの状態に合わせた、さまざまな選択肢が生まれています。 この記事では、お薬を使ったがん治療の種類をご紹介します。この機会に、知らない治療法があれば学んでみませんか?

多様化するがん治療のお薬

かつてお薬のがん治療の主役だった「化学療法薬」に加え、現在では新しいタイプのお薬が次々と登場しています。それぞれに得意なことや、がん細胞へのアプローチ方法が異なります。 1.化学療法薬(細胞障害性抗がん剤) がん治療の基本となるお薬です。細胞が分裂して増殖する働きを抑えることで、がん細胞を攻撃します。特に、活発に分裂するがん細胞に効果を発揮します。その反面、がん細胞だけでなく正常な細胞(髪の毛の細胞や胃の細胞、血液の細胞など)にも影響を与えやすいため、副作用が出やすいという特徴もあります。 2.ホルモン療法薬(内分泌療法薬) 特定のホルモンを「エサ」にして増えるタイプのがんに対して使われます。体内のホルモンの分泌を抑えたり、がん細胞がホルモンを取り込むのを邪魔したりすることで、がんの増殖をストップさせます。 乳がんや前立腺がんなど特定のがんに対して行われる治療方法のため、他の治療法(薬剤系)と比べると知っている方はやや少ないかもしれません。 3.分子標的薬 がん細胞の増殖に関わる特定の分子(タンパク質や遺伝子)だけを狙い撃ちするお薬です。がん細胞が持つ特有の「目印」に的を絞るため、正常な細胞への影響を比較的抑えられるのが特徴です。治療前に遺伝子検査などで、お薬が効く「目印」があるかを確認することが多く、まさに「個別化医療」の代表格と言えます。 4.免疫チェックポイント阻害薬 人体には、もともとがん細胞などの異物を攻撃する「免疫」という仕組みが備わっています。しかし、がん細胞はその免疫の働きにブレーキをかけて攻撃から逃れようとします。この「ブレーキ」を外し、再び免疫細胞ががん細胞を攻撃できるようにするのが免疫チェックポイント阻害薬の役割です。 5.CAR-T細胞療法 患者さん自身の血液から免疫細胞(T細胞)を取り出し、遺伝子技術を使ってがんを攻撃する力を強化します。このパワーアップした細胞を「CAR-T細胞」と呼び、再び体内に戻すことでがんを治療する、新しい治療法です。 現在は一部の血液がんで行われています。そのため、今回のオンコロ・ワンクエスチョンではこの治療法を知らない方が多くいらっしゃる結果となりました。

薬剤系のがん治療についてさらに学びたい方へ

上記で5種類のがん治療法(薬剤系)についてご紹介しました。さらに詳しく学びたいという方は、抗がん剤の違いを分かりやすく解説していただいた下記のセミナーをぜひご覧ください。  

▼がんサバイバー笠井さん×がん専門医勝俣先生:「抗がん剤の違い」▼

がん情報サービスでも詳しくご紹介されているので、もしよろしければご確認ください。 ▼がん情報サービス:薬物療法 もっと詳しく「薬物療法で使われる薬の種類」

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