
オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
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オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「がん治療中に運動をされていますか?」
結果・解説

がんの治療中は、安静にしていなければならないと思っていませんか? 実は、近年多くの研究から、体調に合わせて適度な運動をすることが、がん治療による副作用の軽減や体力の維持・向上に繋がることがわかってきました。
今回のオンコロ・ワンクエスチョンにご回答いただいた方の半数以上が「運動をしている」との回答でしたが、具体的にがん治療中の運動との付き合い方について本記事でご紹介します。その中に、がん患者さんにお伺いした運動の種類もご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。
がん治療中の適切な運動量
まずは無理のない範囲でできることから始めてみましょう。「頑張りすぎない」ことが大切なポイントです。
【運動の例】
Step1:ウォーキングなどで軽い運動
まずは1日10分程度の散歩など、短時間の有酸素運動から始めてみましょう。
Step2:無理のない範囲で量を少しずつ増やす
少しずつ慣れてきたら週に3〜5日、1回あたり20〜30分程度のウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなどを目標にできると良いでしょう。
Step3:筋力トレーニングの追加
週に2〜3回、スクワットなどの軽い筋力トレーニングを取り入れると、さらに効果的です。
上記はあくまでも一例で、大切なのは、ご自身の体調と相談しながら、気持ちが良いと感じるペースで行うことです。治療内容やご状況によっては、最適な運動方法が異なりますので、詳細は主治医や理学療法士にご相談すると良いでしょう。
なお、がん患者さんに普段どのような運動を行われているかお伺いした結果がこちらになります。
スポーツの種類 |
人数 |
ヨガ |
23 |
ピラティス |
11 |
ジョギング |
18 |
ウォーキング |
142 |
サイクリング |
17 |
ボール競技 |
5 |
水泳 |
7 |
ラジオ体操 |
43 |
その他 |
84 |
気軽に行えて負担も少ないウォーキングをされている方が多い結果となりました。また、水泳やボール競技などスポーツに近い運動もされている方もいらっしゃいます。
がん治療中の運動の効果
がん治療中に運動を続けることで、下記のような体と心の両方によい影響が期待できます。
▼体への効果
・体力の維持向上:治療による体力の低下を防ぎます。
・倦怠感の軽減:がん治療で多くの方が経験する「だるさ」や「疲れやすさ」が和らぎます。
・筋力の維持:治療後も活動的な生活を送るための土台となります。
・睡眠の質の向上:寝つきが良くなる、ぐっすり眠れるなどの効果が期待できます。
▼心への効果
・気分のリフレッシュ:不安な気持ちや気分の落ち込みが和らぎ、前向きな気持ちになれます。
・QOL(生活の質)の向上:「自分で体を動かせている」という感覚が、自信や満足感に繋がります。
運動する際の注意点
安全に運動を楽しむために、以下の3点に注意しましょう。
1.始める前に、必ず主治医に相談する
がんの種類や治療内容、合併症(骨への転移や貧血など)によっては、運動の方法や強度を調整する必要があります。まずは「運動を始めたい」という気持ちを主治医や看護師、リハビリの専門家に伝えて、アドバイスをもらいましょう。
2.「いつもと違う」と感じたら、無理せず休む
体調は日々変化します。熱がある、めまいや吐き気がする、強い痛みを感じる、息苦しいなどの症状がある日は、運動をお休みしてください。
3.感染症への注意
治療中は免疫力が低下することがあります。人混みを避けたり、屋外で運動したりするなど、感染症対策を心がけましょう。
※夏場に運動を行う際には、熱中症にも十分ご注意ください。
がん治療は、心と体の両方にとって大きな挑戦です。運動を生活に少しだけ取り入れることで、治療中もそして治療が終わった後も、あなたらしい毎日を送るための一助となるかもしれません。
ご家族の方も、散歩に付き添ったり、一緒に軽い体操をしたりするなど、ぜひ温かくサポートしていただければと思います。
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