オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン！ その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています！ ▼オンコロ・ワンクエスチョンの一覧

質問

「光免疫療法の保険適用がん種はどれでしょうか？」 

結果・解説

皆さんは「光免疫療法」というがんの治療方法をご存じでしょうか？　最近登場した新しい治療法となっており、知らない方も多くいらっしゃるかと思います。 今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、光免疫療法や保険適用されるがん種について簡単にご紹介します。この機会に新しいがんの治療法を学んでみませんか？

「光免疫療法」とは？

光免疫療法は、特定の光に反応する薬剤と、レーザー光を組み合わせてがん細胞を破壊する治療法です。国内では「アルミノックス治療」という名称でも呼ばれています。 この「光免疫療法」は日本の研究者によって開発された治療法になり、2020年9月に世界で初めて日本で承認され、2021年1月から保険適用が開始されました。 がん細胞に効果を発揮する仕組みは、大きく2つのステップに分かれています。 １. 薬剤の投与 まず、がん細胞の表面にある特定の目印にだけ結合する特殊な薬剤を点滴で投与します。この薬剤は、がん細胞に集まる性質を持っています。 ２. 光の照射 薬剤ががん細胞に十分に集まったタイミングで、体に害のない特殊な光（近赤外線）を体の外から、または細い針（光ファイバー）を使ってがん病巣に直接照射します。 光が当たると、薬剤が反応してがん細胞だけをピンポイントで破壊します。これにより、正常な細胞へのダメージを最小限に抑えられる特徴があるため、従来の治療法に比べて体への負担が少なく、副作用も比較的軽いとされています。 さらに、破壊されたがん細胞が目印となって、患者さん自身の免疫細胞が他のがん細胞を攻撃する力を強める効果も期待されています。

光免疫療法の保険適用がん種は？

2025年8月時点で、光免疫療法が保険適用となっているのは「切除が難しい局所進行または局所再発の頭頸部（とうけいぶ）がん」です。頭頸部がんには、舌がん、歯肉がん（口腔がん）、のど（咽頭・喉頭）のがんなどが含まれます。 現在、保険が適用されるがんは頭頸部がんに限られていますが、光免疫療法の可能性はさらに広がることが期待されています。肝臓がんやすい臓がん、肺がん、胆のうがんなど他のがんへの適用を期待して、現在も臨床試験（治験）や研究が進められています。 治験の一例として、国立がん研究センター東病院で行っている光免疫療法の医師主導治験をご紹介します。もしよろしければご一読ください。 ▼国立がん研究センター東病院｜「光免疫療法について」

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