銭湯でがんサロン CancerおしゃべりCafeに参加しました


  • [公開日]2023.04.17
  • [最終更新日]2023.04.17

こんにちは、オンコロの吉田です。私は3月18日(土)に“ゆうこりんこさん”こと水戸部ゆうこさんを中心に開催された「銭湯でがんサロン CancerおしゃべりCafe」に参加させていただきました。今回はキャンサーペアレンツさん、医療系学生Medipathy(メディパシー)さんとの共同開催でした。

「患者さんの話を聴き・対話し・笑いあい、互いの心を豊かに」をテーマに医学生が運営している団体

遠方から計6組の患者さんが親子でも参加

北は北海道、南は愛媛県といった遠方から運営スタッフや患者さんが集まっており、水戸部さんを含む7名の患者さんと2人のお子さんが円になって談笑されました。

自己紹介の最後には、「自分が成長したことやお子さんの成長を感じた場面を語る」というお題もあり、みなさん家庭では「母親」という共通の役割があったため、他の方の体験に深く共感したり時には涙ぐんだりしながら聞かれていました。メディパシーの方々も前のめりになり、深くうなずきながら患者さんのお話に耳を傾けていました。

がんを持つ母親としての葛藤

社会的役割や子どもの年齢など、その方のバックグラウンドはそれぞれ異なります。

がんと診断された時、周りに言い出せず、一方で秘密にしておくことも辛かったと話す方は、「(お子さんは)心配だっただろうけど、そんな母親の姿を見守ってくれていた」と感謝していました。

また、親子で参加された別の方は、お子さんが2歳の時に罹患し、これから迎える学生時代・思春期・大人になって側でサポートしてあげられないのではという不安を抱えながら闘病されていたと言います。幼いころから母親のがんを知って育ったお子さんは、お母さんの体調を理解し、受け入れていて、がんについても漫画で学習しているそうです。「がん=怖い病気」だから言わない、「隠す」ではなく、折を見て家族で共有し、ともに歩んでこられた絆とそこにある「母親」としての葛藤、それを乗り越え、強さと優しさを感じたお話でした。


今回参加された親子(写真手前が娘さん、左から4番目がお母さん)お互いに当時や今の思いを語りました

自分の体験を乗り越え自分らしく生きる

参加された方のなかには、ご自身の経験を乗り越え、現在はさまざまな取り組みに挑戦する方もいらっしゃいました。必要な時に助けを求めることができるようにとがん教育に携わる方、ご自身の体験をもとに食べやすいスプーンやお箸などを考案し商品化を行う方、子どもに向けて書き溜めた手紙をもとに未来の自分や家族に向けた手紙が書けるレターセットを考案した方……。みなさん、がんも自分らしさのひとつとして受容し、充実した日々を過ごされている様子を伺い知れました。


実際に使用されている猫舌堂のカトラリーをメディパシーの学生に見せる水戸部さん

みなさんが歩まれたこれまでの道のりは、険しく心折れそうな時もあり、想像をはるかに超えるものだと思います。それでも、社会の一員として、1人の母親として、芯を強く持ち家族のため、人のために向き合っている姿に感銘を受けました。私自身は元看護師、今は情報の発信者としてがんのことを勉強している身ですが、臨床とは違う生活を中心とした初めてのお話をたくさん伺うことができました。

お声がけくださった水戸部ゆうこさんに改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。

※今回掲載した写真は特別な許可を得て銭湯の営業時間外に撮影しています。

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