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「シェアード・ディシジョン・メイキングという言葉を知っていますか?」オンコロ・ワンクエスチョンvol.45

[公開日] 2024.10.25[最終更新日] 2024.10.25

オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン! その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています! ▼オンコロ・ワンクエスチョンの一覧

質問

「シェアード・ディシジョン・メイキングという言葉を知っていますか?」 

結果・解説

シェアード・ディシジョン・メイキングという用語を皆さんはご存じでしょうか? オンコロのLINE友だちの方々にお伺いしてみたところ、多数の方が知らないと回答されました。 シェアード・ディシジョン・メイキング(英名SDM:Shared Decision Making)を日本語に直すと「共同意思決定」という意味になります。今回のオンコロ・ワンクエスチョンの解説では、皆さんも聞いたことがあるインフォームドコンセントとシェアード・ディシジョン・メイキングの違いに着目して解説します。

シェアード・ディシジョン・メイキングとインフォームドコンセント

聞き馴染みのあるインフォームドコンセントとシェアード・ディシジョン・メイキングは、どちらも医療者と患者さんの間で行われる意思決定プロセスですが、目的とプロセスに明確な違いがあります。 ■インフォームドコンセント(IC) 医師が専門知識に基づいて「最善の治療法」を提案し、それに対して患者さんが説明を理解・納得したうえで治療に合意するプロセスです。 そのため、主に医師が治療法の方向性を選択し、患者さんはそれを「受け入れるかどうか」を判断します。 ■シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM) 医師と患者さんが対等な立場で相談しながら、治療法を選択していくプロセスです。 話し合いでは、医師は複数の選択肢を提示し、各選択肢のメリット・デメリットを説明したうえで、患者さんの価値観や生活の目標を尊重しながら治療を決めます。 そのため、ICは治療法が比較的確立されているようなケースでの活用が適している一方、SDMは標準治療が確立されていないケースや、複数の治療法で優劣が付けられないようなケースに活用されます。 SDMのがん領域での活用の一例として、前立腺の早期がんが挙げられます。前立腺の早期がんでは、状況によって手術・放射線療法・ホルモン療法・経過観察など、効果的な治療法が複数存在します。この場合に提示される治療法は、患者さんに効果があると専門知識のある医師によって判断されたものとなりますので、どれを選ぶのかは患者さん自身の判断となります。そのため、患者さんが仕事をされているのか、今後どう生活したいのか、この治療がいい/いやなどないかなど、ライフスタイルや価値観などを医師と共有しながら、それぞれの治療のメリット・デメリットを理解していき、最終的にどの治療法が最適か決めていきます。 もしかしたら、オンコロ・ワンクエスチョンのご回答者の中には、SDMという意思決定プロセスを知らずに行っていた方もいらっしゃるかもしれません。 医学の発展に伴い、がん領域に限らず様々な分野でも新しい治療法が確立されています。以前は「この病気にはこの治療が最適」という明確な答えがあったものが、今では複数存在し自分で選ばなければいけない状況に出会うこともあるかもしれません。 この場合、治療を選択する際に重要になるのが、患者さんの価値観に基づいた意思です。 ぜひこの機会に「医療関係者の説明を聞き、一緒に治療法を選んでいく」というSDMを知っていただき、ご自身にとって納得感のある治療選択に繋げていただければと思います。

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