オンコロLINEの友だちを対象に、がん患者さんやご家族の方などのご意見・お考えを共有したり、がんについて学べる1問クエスチョンのオンコロ・ワンクエスチョン!
その結果と解説をがん情報サイト「オンコロ」にて公開しています!
▼オンコロ・ワンクエスチョンの一覧
質問
「ご自身/ご家族ががんになって就業関連でどのようなことに悩まれましたか?」
結果・解説
がん患者さんの3人に1人は就労世代といわれている現代において、がんと就労は切っても切れない関係となっています。
今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、がん関係者の方に就業関連でどのようなことに悩まれたのかお伺いしました。
患者さんは、「休職の制度がなかった」「仕事と治療の両立ができなかった」「仕事を続けなければいけなかった」といったことで悩まれる傾向が高い結果となりました。
また、ご家族の方についても患者さんの回答傾向と似ており、「がん介護のために休めない」「仕事を続けなければいけなかった」ことにやや多く悩まれる傾向でした。
その他にも下記のようなことに悩まれていたと回答されていた方もいらっしゃいます。
・会社に知られたくない、逆にどう相談したらいいのか分からない
・社会復帰の難しさ
・職種による復職のハードルの高さ
・仕事量の減少、またはなくなることによる収入の減少
上記に挙げたお悩み以外のことでも悩まれることは沢山あるかと思います。
今回のオンコロ・ワンクエスチョンでは、回答結果のご共有に加え、がん治療と就労に関してお役立ちいただける情報を2点、そして参考資料をご共有いたします。
▼参考資料▼
・国立がん研究センター:がん情報サービス がんと仕事のQ&A
・厚生労働省 働くがん患者の就労継続および職場復帰に資する研究班作成:仕事とがん治療の両立お役立ちノート
・オンコロちゃんねる:がん患者が知っておきたい社会保障制度セミナー
就労先への伝え方
まずは、医師の診断はどうなのか、ご自身・またはご家族の状況はどうなのか、自分はどうしたいのかなど、現状と自分の希望をまとめておくことが大切になります。
特に最後の「自分はどうしたいのか」については、休職したいのか、通院などの時間を融通してほしいのかなどで就労先にお願いすることがかなり変わりますので重要です。
次に、就業先で定められている、就業規則にある休職や欠勤の項目をご確認ください。
内容を把握することで、その制度を利用してご自身の希望に沿った方法で休職・勤務時間の短縮などを相談いただければと思います。
また、復帰の際に時短勤務制度やリハビリ出勤制度を利用できるのかなども確認いただくと良いかもしれません。
なお、休職などの制度がない場合でも、これまでに必要なかっただけという理由で記載がない可能性もあります。
そのため、ないから辞めなければいけないと諦めず、まずは直属の上司に相談し、総務・人事部に相談することも第一歩になります。
治療の両立は難しいかもしれないけれど働きたい場合
上記のように考えられている場合、ぜひ下記の2点を参考にしていただければと思います。
①いったん持ち帰る
上司などに相談をしたところ、暗に休職や退職を勧められたり、有給や傷病休暇などの制度の利用を断られたりすることもあるかもしれません。
このとき、上司や就労先の担当者が制度や法律をしっかり知らずに答えている可能性もあるため、すぐ「分かりました」と言ったり対立したりするのではなく、いったん持ち帰ってがん相談支援センターや患者会などにご相談ください。
実際に就労先の方に「難しい」と言われても、社会保険労務士など法律関係に詳しい方に相談したところ、法律的には可能な場合があったというのが意外と多くあります。
②がんのことは横において考える
ご自身・ご家族ががんとなり、不安がある中で考えにくいかもしれませんが、就労に悩まれた際には純粋にその仕事を続けたいかを考えてみてください。
がんをきっかけに仕事への価値観が変わること、身体の変化に伴い働き方を変更しなければいけないことは少なくありません。
大変なときに働き方を変えるのには抵抗があるかもしれませんが、だからこそ一度がんを横において、「自分らしさ」を考えることは大切です。
最後に
特に治療が始まる前は、副作用や体調の変化など予想をしにくく、就労先への迷惑などで不安になってしまう場合もあるかもしれません。
しかし、近年は、社会全体でがんなどの疾患を抱えていても働き続けられるようにしようという流れがあります。
不安な場合には、主治医やがん相談支援センターに、ご自身の仕事の状況などを相談し、治療との両立が可能か相談してみてください。
ご案内
オンコロ・ワンクエスチョンに参加したいという方は、オンコロのLINE公式アカウントを友だち追加の上、日曜日に配信されるオンコロ・ワンクエスチョンにご回答ください。