5月11日開催『胃がんキャラバン 2019 in 札幌』
セミナーレポート


  • [公開日]2019.05.15
  • [最終更新日]2019.05.15

5月11日開催、胃がんキャラバン in 札幌『後悔しない選択のために~胃がんのことを知ろう』は会場への参加者に加え、webでの視聴16名の方にもご参加いただき、無事に終了いたしました。

東京開催でのセミナーに、毎回、北海道からの参加者があり、セミナーを北海道で開催することには強い想いがありました。参加者も楽しみにしていたのですが、セミナー当日に緊急入院、体調不良での欠席が合計10名近く出てしまいました。進行、再発胃がんの病状の厳しさを痛感する事態でした。

急遽、webでの配信を決定し、欠席者に観ていただけるように対応しました。

小松先生、そして、友情登壇として駆け付けてくださった佐藤先生のご講演、質疑応答の内容が患者家族の不安にしっかりとこたえてくださるものだったからこそ、セミナー開催の告知のみならず、もっと多くの方に届けるにはどうしたらいいのかという課題も明確になったセミナーとなりました。

【小松先生のご講演】
今回の胃がんキャラバンへの想いを受け止めて下さり、がんを取り巻く内容全てをお話してくださいました。

胃がんとは、予防のこと、外科的治療、抗がん剤治療、副作用対策の大切さ、緩和ケア、日々の生活での栄養の採り方、病院で患者家族をサポートするメンバーなど。

私自身、この話をあの時に聴いていたら、日々は変わっていただろうと思いながら聴きました。

救える命に繋げるために、新薬の治験に取り組み続けてきた小松先生。現在、標準治療として胃がんに使われている抗がん剤全ての治験に携わってきたおふたりの言葉は、患者家族の不安、疑問にしっかり届くものでした。患者家族のみならず、これから医学を志す方にも届けたかったです。

【質疑応答からわかること】
セミナーを積み重ねてきて明らかになってきたことは、患者家族の不安、疑問は以下に集約されるということです。

1.自分は最適な治療を受けているのか

2.自分たちが生活の中でできることはないのか

多くの治験に携わり、現在、標準治療になっている胃がんの化学療法全てを知り尽くしている小松先生、佐藤先生の質疑応答は、「なぜ」に答える明確な理由が示されており、会場の参加者は集中し、頷きながらメモを取っていました。この姿を見て、患者家族の不安は、抗がん剤への理解、標準治療の根拠を知ることによって軽減されることを感じました。ここが理解できると、患者家族にも判断の力がつき、根拠のない療法への疑問を持つこと、主治医とのコミュニケーションに繋がっていくと思いました。

『希望の会』に寄せられた感想

・北大でのキャラバン参加させてもらい、とても良かったなと感じました。私はこのようなセミナーに参加するのは初めてだったのですが、どこか患者家族としての自分に負い目を感じ、インターネットでは都合のいい情報だけを切り取り、自分を納得させてきたように思います。

しかし、実際に小松先生、佐藤先生のお話を聞いて、きちんとがんに向き合っていこうという気持ちになりました。食が進まない父へのエンシュアの摂取の仕方のアドバイスを丁寧にしていただき、とても嬉しかったです。親身になって病気だけでなく、生活のことまで一緒に考えてくれる先生の存在を知るきっかけにもなりました。緊張してお声がけすることはできませんでしたが、貴重な場を作っていただきありがとうございました。また先生たちのお話を聞ける機会があれば参加したいと思いました。(30代 女性)

・北海道大学での市民公開講座に、以前、参加したことがありました。今回のセミナーでのお話は、その時よりも詳しく、わかりやすく、参加してよかったと思っています。もっと多くの方に、今回のセミナー開催を知ってもらえたらよかったと思いました。(50代 女性)

・私は胃がんではないのですが、セミナーのお手伝いとして参加し、今回のセミナーを聴くことができ、大変に勉強になりました。セミナー開催への主催者の想い、それにこたえる小松先生、佐藤先生の想いが感じられ、終始、惹き込まれていました。

質疑応答に時間を割くことも、初めてのスタイルでしたが、この方法は、理解につながると感じました。(50代 男性)


次回、6月8日(土)は、「胃がんキャラバン2019 in 大阪」。
大阪大学医学部 佐藤太郎先生がご講演くださいます。札幌にも駆けつけてくださり、丁寧に患者家族の不安にお答えくださった佐藤先生のご講演をとても楽しみにしています。

胃がんキャラバンの申し込みはコチラ

文:認定NPO法人希望の会 理事長 轟 浩美(編集;中島 香織)

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