切除不能ステージⅢ期標準治療抗がん剤と放射線療法を組み合わせた併用療法後の維持療法デュルバルマブ(商品名イミフィンジ;以下イミフィンジ)の全生存期間が発表

切除不能ステージⅢ期は、同時化学放射線療法が標準治療であり、目的は根治を目指したものである。
しかし患者の89%は治療後に病勢が進行し、転移する。
Ⅲ期の5年生存率は15-20%と高くない。
また革新的な新薬が相次ぐステージⅣ期とは対照的に、過去20年間標準治療には進展がなかった。

イミフィンジはステージⅢ期で標準治療の抗がん剤と放射線療法を組み合わせた併用療法後の維持療法が適応である。
承認取得の根拠となった国際共同臨床第3相試験 PACIFIC試験で主要評価項目のひとつである無増悪生存期間を有意に延長させた。
イミフィンジ投与群が中央値で16.8ヶ月、プラセボ群5.6ヶ月で、11ヶ月以上の延長。再発・再燃リスクを48% 減少させた。

今回はPACIFIC試験の全生存期間が発表となり、さらに解析データがアップデートされた。

有効性

全生存期間
 イミフィンジ群:臨床統計学的未到達
 プラセボ群:28.7ヶ月
 死亡リスクを32%有意に減少(HR=0.68)
イベント発症患者数
 イミフィンジ群:183/476名(38.4%)
 プラセボ群:116/237名(48.9%)
1年生存率
 イミフィンジ群:83.1%
 プラセボ群:75.3%
2年生存率
 イミフィンジ群:66.3%
 プラセボ群:55.6%
アップデート無増悪生存期間
 イミフィンジ群:17.2ヶ月
 プラセボ群:6.6ヶ月
 病勢進行もしくは死亡リスクを49%有意に減少(HR=0.51)
遠隔転移までの期間
 イミフィンジ群:28.3ヶ月
 プラセボ群:16.2ヶ月
 転移リスクを47%有意に減少

安全性

グレード3/4の有害事象
 イミフィンジ群:145/475名(30.5%)
 プラセボ群:61/234名(26.1%)
重篤な有害事象
 イミフィンジ群:138/475名(29.1%)
 プラセボ群:54/234名(23.1%)

まとめ

 イミフィンジ群はプラセボと比較し、全生存期間に対して意義ある改善を示した(死亡リスクを32%有意に減少:HR=0.68)。
 さらに解析データがアップデートされた無増悪生存期間と遠隔転移までの期間もプラセボと比較し、イミフィンジ群は有意にリスクを減少させた。
 安全性解析では長期フォローアップの中で新たな有害事象は認められなかった。
 PACIFIC試験ではイミフィンジ群が現在の標準治療に対して生存の有益性が得られる治療法であることを示したと結論付けられた。

PACIFIC Study Shows Durvalumab Improves Overall Survival in Patients with Unresectable Non-Small Cell Lung Cancer Without Progression after Chemoradiotherapy(WCLC 2018, Abstract No.14701)

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