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再発/難治性慢性リンパ球性白血病に対するカルケンス単剤療法、3年無増悪生存期間を延長

この記事の3つのポイント
再発/難治性慢性リンパ球性白血病患者が対象の第3相試験
・カルケンス単剤療法有効性安全性標準治療と比較検証
無増悪生存期間はカルケンスが未到達に対して標準治療で16.8ヶ月を示し、統計学的有意に延長した

2021年12月20日、英アストラゼネカ社はプレスリリースにて、再発/難治性慢性リンパ球性白血病(R/RCLL)患者に対するBTK阻害薬であるカルケンス(一般名:アカラブルチニブ、以下カルケンス)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のASCEND試験(NCT02970318)の3年フォローアップ成績の結果が公表した。

ASCEND試験とは、再発/難治性慢性リンパ球性白血病(R/RCLL)患者(N=310人)に対して1日2回カルケンス100mg単剤を投与する群(N=155人)、または主治医選択の標準治療(リツキサン+イデラリシブ併用療法またはリツキシマブベンダムスチン)を実施する群(N=155人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間OS)、客観的奏効率ORR)、安全性を検証した国際多施設共同無作為化オープンラベルの第3相試験である。

本試験のフォローアップ期間中央値カルケンス単剤群36ヶ月、主治医選択の標準治療群35.2ヶ月の結果は下記の通りである。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値はカルケンス単剤群の未到達に対して主治医選択の標準治療群で16.8ヶ月と、カルケンス単剤群で病勢進行または死亡(PFS)のリスクを統計学的有意に71%(HR:0.29、95%信頼区間:0.21-0.41、P<0.0001)減少した。36ヶ月無増悪生存率(PFS)はカルケンス単剤群の63%に対して主治医選択の標準治療群で21%を示した。

副次評価項目である全生存期間(OS)中央値はカルケンス単剤群の未到達に対して主治医選択の標準治療群も未到達で、カルケンス単剤群で死亡(OS)のリスクを31%(HR:0.69、95%信頼区間:0.43-1.10、P=0.1184)減少した。36ヶ月全生存率(OS)はカルケンス単剤群の80%に対して主治医選択の標準治療群で73%を示した。客観的奏効率(ORR)はカルケンス単剤群の83%に対して主治医選択の標準治療群で85%を示した。

一方の安全性として、全グレード有害事象(AE)発症率は下記の通りである。心房細動/心房粗動がカルケンス単剤群の6%に対して主治医選択の標準治療群で3%、高血圧が7%に対して4%、大出血が3%に対して3%、感染症が25%に対して27%、非黒色腫皮膚がんを除く二次原発悪性腫瘍が7%に対して3%をそれぞれ示した。

Calquence reduced the risk of disease progression or death by 71% vs. standard of care combinations at three years in the ASCEND Phase III trial(AstraZeneca Press Releases)

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