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がんになったら妊娠はあきらめるべき?


  • [公開日]2019.08.28
  • [最終更新日]2019.10.11

監修:日本医科大学 勝俣範之 先生

妊孕性を温存しつつ治療できるがんも。まずは医師に相談を

妊孕性(にんようせい)とは、妊娠するための力のこと。妊娠・出産をするためには、卵子と精子が必要となり、女性の場合は卵巣や子宮、男性の場合は精巣などが重要な役割を果たしているので、決して女性だけの問題ではありません。がんの治療では、それらの妊娠に関わる臓器にがんができた場合だけでなく、妊娠とは関係のないような臓器にがんができた場合でも、生殖機能に影響を及ぼし、妊娠するための力が弱まったり、失われたりすることがあります。

例えば、脳の視床下部や下垂体にある腫瘍の摘出手術を行った場合、男性は精子の形成に障害が生じることがあったり、女性の場合は排卵障害が生じることがあったります。また、抗がん剤などの薬物治療の場合も、精子や卵子を極度に減らしてしまうような生殖機能に大きく影響するものと、ほとんど影響しないものがあります。治療を行う前に、事前に確認しておくことが必要ですが、最近ではがんの治療を行う際に、妊孕性を温存しつつ、治療を行うこともあります。

男性の場合であれば、手術の際に勃起や射精に関わる神経を残す、女性の場合は、手術の際に卵巣や子宮を残すことや、放射線治療で卵巣に放射線があたらないようにするため、手術によって卵巣の位置を移動しておくことがあります。また、薬物療法を行う前に卵子の保存をするため、治療開始を遅らせることがあります。いずれも、可能かどうかは、がんの種類ごとに決められた条件も含め、その人の健康状態や患者さん本人の状況を考慮して決められます。また、近年では、将来自分の子どもを持つ可能性を残すために、卵子や精子、受精卵を凍結保存する「妊孕性保存」という選択肢も加わっています。ただし、がんの治療を受けることが大前提ですので、必ずしも希望通りにならない場合もあります。将来子どもをもつことを望むのか、ご自身の希望とともに、医師に相談しましょう。

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