膀胱がん治療法の種類(1)~(3)

膀胱がんの治療は、日本泌尿器科学会の「膀胱癌診療ガイドライン2015年版」http://www.urol.or.jp/info/guideline/data/01_bladder_cancer_2015.pdf
によると、正確な経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT) による筋層非浸潤性・浸潤性の診断と、画像診断(CT、MRI)による限局性、転移性の診断によって決定されます。現実的にはガイドライン、ならびに治療法別の経験的、検証的なデータに基づき、患者個別の状態に合わせた治療方針が決定されます。

筋層非浸潤性膀胱がんの治療法

筋層非浸潤性の膀胱がんは、初発膀胱がん全体の70%から80%を占めます。経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)で切除しても再発を繰り返しやすく、筋層浸潤性に移行する可能性もあることから、TURBTから判断される腫瘍の突出・深達度(T分類)、異型度(悪性度[G])、CISの有無、組織型などの情報に基づき低リスク群、中リスク群、または高リスク群の3つ分けて治療方針を決定します。

重要な目的は、切除後の抗がん剤や弱毒化ウシ結核菌(BCG)の導入・維持療法を駆使した再発予防です。

(1)低リスク群
単発、初発、3cm未満、深達度T分類Ta、悪性度G1またはG2、および上皮内がん(CIS)非併発をすべて満たす低リスクの筋層非浸潤性膀胱がんの治療は、TURBT直後(24時間以内)の抗がん剤注入が推奨されています。

(2)中リスク群
低リスク群と同じT分類(Ta)と悪性度(G1またはG2)でCIS非併発でも、多発もしくは再発、または3cm以上に該当する中リスクの筋層非浸潤性膀胱がんの治療は、抗がん剤、またはBCGの導入療法が推奨されている。経過観察で再発、または病期進展が確認された場合は抗がん剤もしくはBCGの維持療法、または膀胱全摘除術の選択が適宜判断されています。

(3)高リスク群
T1、G3、CIS併発、多発、再発のいずれかに該当する高リスクの筋層非浸潤性膀胱がんの治療は、初回のTUR-BT後に突出してきた腫瘍の切除、残存腫瘍や筋層浸潤の有無の確認を目的として2回目のTUR-BTを実施し、BCG維持療法、または膀胱全摘除術を選択します。

なお、上皮内がん(CIS)の治療はBCG注入療法が第1選択です。

筋層非浸潤性膀胱がんのBCG膀胱内注入療法

(1)スケジュール
筋層非浸潤性膀胱がんのBCG導入療法では、週1回計6回を1コースとする注入が基本であるが、注入回数は明確には定まっておらず、計8回を1コースと注入する場合もあり、また、少なくとも5回の注入で効果が期待できる場合もあります。

筋層非浸潤性膀胱がんのBCG維持療法は、効果持続を目的として多数回、長期にわたり継続するが、統一された明確なスケジュールは定まっておらず、例えば2000年に報告された海外臨床試験成績に基づくスケジュールに基づき、導入療法として週1回計6回の1コースを終えた後、3カ月目、6カ月目、12カ月目、以降6カ月ごとに36カ月目まで3年間にわたり、それぞれ週1回3回の注入を反復し、合計27回の注入が行われます。

(2)副作用
BCG注入療法の副作用は、頻尿、排尿痛、膀胱刺激症状、血尿といった膀胱・尿関連事象のほか、発熱、インフルエンザ様症状、関節炎などである。副作用の対策として、BCGの注入量を減らす、副作用予防目的での抗生剤の投与、痛み緩和のための鎮痛薬投与、BCG投与の間隔を延長するといった処置がとられています。

(3)BCG注入療法後の再発や残存腫瘍に対する治療選択
BCG注入療法でも腫瘍の残存や進展、または再発が確認された場合をBCG抵抗性(failure)という。BCG抵抗性は以下の4つに分けられ、それぞれに推奨される治療選択は次のとおりです。

BCG不応性(refractory):治療後3カ月の時点で再発または腫瘍が残存し,6カ月までに消失しない→抗がん剤の膀胱内注入でも効果が見込めないため、膀胱全摘除術が推奨される。
・BCG耐性(resistant):治療後3カ月までに腫瘍が一定程度縮小したものの、6カ月までに消失しない→膀胱全摘除術が推奨される。
BCG再発性(relapsing):治療後に再び腫瘍が形成されるBCG抵抗性として最も多いタイプ→再びBCG注入療法を実施するか、必要に応じて膀胱全摘除術が推奨される。
・BCG不耐容(intolerant):副作用によりBCG注入療法のスケジュールを完遂できない→前述の副作用対策を講じつつBCG注入療法を実施する、あるいは抗がん剤に切り替える。

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