悪性リンパ腫の種類と分類


  • [公開日]2017.12.25
  • [最終更新日]2019.09.19

悪性リンパ腫の病型:WHO分類(2008)

<非ホジキンリンパ腫(NHL)>
●前駆リンパ系腫瘍
B 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫
T 細胞リンパ芽球性白血病/リンパ腫

●成熟B 細胞腫瘍
慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫
B 細胞前リンパ球性白血病
脾B 細胞辺縁帯リンパ腫
有毛細胞白血病
リンパ形質細胞性リンパ腫
重鎖病
形質細胞腫瘍
粘膜関連リンパ組織型節外性辺縁帯リンパ腫(MALT リンパ腫)
節性辺縁帯リンパ腫
濾胞性リンパ腫
マントル細胞リンパ腫
びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫
バーキットリンパ腫

●成熟T 細胞・NK 細胞腫瘍
T 細胞前リンパ球性白血病
T 細胞大顆粒リンパ球性白血病
アグレッシブNK 細胞白血病
成人T 細胞白血病/ リンパ腫
節外性鼻型NK/T 細胞リンパ腫
腸管症関連T 細胞リンパ腫
肝脾T 細胞リンパ腫
皮下脂肪組織炎様T 細胞リンパ腫
菌状息肉症
セザリー症候群
原発性皮膚CD30 陽性T 細胞リンパ増殖異常症
原発性皮膚γδ細胞リンパ腫
末梢性T 細胞リンパ腫、非特定型
血管免疫芽球性T 細胞リンパ腫
未分化大細胞リンパ腫

<ホジキンリンパ腫(HL)>
●結節性リンパ球優位型ホジキンリンパ腫
●古典的ホジキンリンパ腫(結節性硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球減少型)

悪性度:WHO分類に基づく非ホジキンリンパ腫(NHL)の臨床分類

年単位で進行する低悪性度、月単位で進行する中悪性度、週単位で進行する高悪性度に分けられます。

低悪性度に分類されるNHLには、グレード1からグレード2の濾胞性リンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、菌状息肉症、セザリー症候群などがあります。

中悪性度はグレード3の濾胞性リンパ腫やマントル細胞リンパ腫、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫など、高悪性度はバーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病/リンパ芽球性リンパ腫、成人T細胞白血病/リンパ腫です。

悪性リンパ腫の病期(ステージ)分類

もともとホジキンリンパ腫(HL)に対して開発されたAnn Arbor分類は、非ホジキンリンパ腫(NHL)でも共通して用いられ、症状分類(AまたはB)と合わせて分類されています。主な病変がリンパ節外にある消化管原発の悪性リンパ腫の病期は、リンパ節病変を主体として分類するAnn Arbor分類と乖離するため、Lugano分類が用いられています。いずれの分類もI期からIV期に分けられます。

<Ann Arbor分類>
I期:単独リンパ節の病変、または単独リンパ外の限局性病変
II期:横隔膜同側(上半身または下半身)2つ以上のリンパ節病変、または所属リンパ節病変と関連する単独リンパ外の限局性病変
III期:横隔膜両側(上半身と下半身)のリンパ節病変、その病変がリンパ外進展、もしくは脾臓病変を伴うか、または両者を伴う
IV期:1つ以上のリンパ外臓器のびまん性または播種性病変(関連リンパ節病変の有無は問わない)、または所属リンパ節病変を欠く孤立したリンパ外病変で離れた部位の病変を併せ持つ
症状のA/B分類:発熱(38℃超、原因不明)、寝汗(寝具が濡れるほどの多量の汗)、および体重減少(診断前6カ月以内に10%超の減少、原因不明)

<Lugano分類>
I期:非連続性の消化管限局腫瘍
II期:消化管原発から腹腔に進展(リンパ節浸潤の限局性、または遠隔性)
IIE期:近接へ進展する漿膜の浸潤(リンパ節浸潤と近接臓器浸潤の両方を含む)
IV期:リンパ外への播種性浸潤、または消化管病変と横隔膜を越えたリンパ節病変を伴う

参考:日本血液学会造血器腫瘍診療ガイドライン、日本癌治療学会がん診療ガイドライン、国立がん研究センターがん情報サービス、国立がん研究センター希少がんセンター、日本造血細胞移植学会ガイドライン

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