10月24日、アストラゼネカ株式会社は、デイヴィド・フレドリクソン新社長の就任後初となる記者会見を開き、「2021年までに売上倍増を目指す」と表明。この中でオンコロジー領域は、この間に売上3倍増を見込み、同社売上の60%を占める見込みとのこと。

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そのカギとなるのが、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬であるオシメルチニブ(タグリッソ)、免疫チェックポイント阻害薬であるPD-L1抗体デュルバルマブ、CTLA-4抗体であるトレメリムマブ、PARP阻害薬であるオラパリブ(米国商品名リンパルザ;Lynparza)であるとのことだ。

第2回:激化する免疫チェックポイント阻害薬開発 PD-L1抗体×CTLA-4抗体に注力 ~アストラゼネカ記者会見より②~
PARP阻害薬オラパリブ 家族性乳がん卵巣がん症候群への効果が期待~アストラゼネカ記者会見より③~

タグリッソ、約半年で2,000人以上が使用、薬価収載までには290人が無償使用

タグリッソは、3月28日に「EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に抵抗性のT790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌」に対して適応承認され、5月25日に薬価収載された。

新薬は承認されてから薬価収載・発売までは、承認されていても薬価が決まっていないため使用できない期間となる。

そこで、アストラゼネカは、治療選択肢が極めて限られているT790M耐性変異の患者さんの緊急の要望に一日も早く応えるべく、厚生労働省の定める「保険外併用療養費制度」のもとで、本剤の無償提供を開始した。

デイヴィド氏によると、「この2か月間に、37医療機関290人に無償提供した」とのこと。

なお、上市後2,000人を超える患者がタグリッソを使用しているとのこと。罹患者数から換算すると、タグリッソの恩恵を受ける肺がん患者は約1万人いると言われており、ほぼ市場ニーズを満たしているとも読み取れる。

EGFR T790M変異陽性転移非小細胞肺がん 第3世代EGFR-TKIタグリッソ 承認取得 発売前無償提供も(オンコロニュース20160328)

非小細胞肺がん 第3世代EGFR-TKIタグリッソの発売近づく アストラゼネカ記者発表会開催(オンコロニュース20160517)

プロフットサル選手 久光 重貴氏 タグリッソの治験(AURA3)に参加 治療続けながらFリーグに活躍

アストラゼネカによると、日本フットサルリーグ(Fリーグ)の湘南ベルマーレフットボールクラブ久光 重貴氏は、タグリッソの国際共同第3相試験であるAURA3試験に参加しているとのこと。

久光氏は、2008年から湘南ベルマーレフットボールクラブに所属。2009年には日本代表に選出、2010年にはチームキャプテンを務めた。Fリーグで活躍する中、2013年7月、右上葉肺腺がんステージ3Bが発覚。イレッサなどの抗がん剤による治療を続けながら、2014年2月に選手として復帰。2015年3月からAURA3試験に参加。現在も治験に参加しながらFリーグで活躍する。

その一方で、2015年より一般社団法人ringsmileを立ち上げフットサルリボン活動を全国の小児病棟で実施している他、日本肺癌学会が運営する肺がん医療向上委員会広報大使として、正しい肺がん医療の啓発に貢献している。2015年7月には「がんでもプレーを続ける 元フットサル日本代表 久光 重孝~笑顔のパス」を出版した。

がんでもプレーを続ける元フットサル日本代表 久光重貴 発売(オンコロニュース20150702)

記事:可知 健太

オンコロにも久光氏へのインタビュー動画を掲載しています。宜しければご覧ください。
オンコロマイストーリー 久光重貴編


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