多発性骨髄腫初の抗体薬エムプリシティ・新世代BCR-ABL阻害薬アイクルシグ 第二部会通過


  • [公開日]2016.09.11
  • [最終更新日]2017.06.29

9月9日、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は、抗SLAMF7抗体エロツズマブ(エムプリシティ)、新世代BCR-ABL阻害薬ポナチニブ(アイクルシグ)の製造販売承認をた審議し、了承した。

多発性骨髄腫初の抗体医薬 エムプリシティ

エムプリシティは「再発・難治性の多発性骨髄腫」が効能・効果。SLAMF7抗体(えすらむるふ抗体)であるエムプリシティは、免疫活性を有する抗体であり、日本初の多発性骨髄腫に対する抗体医薬となる。

エムプリシティの作用機序
antiSLAMF7Ab

再発・難治性多発性骨髄腫 SLAMF7標的製剤 エロツズマブ 国内承認申請

慢性骨髄性白血病/急性リンパ性白血病 T315I変異型にも著効 アイクルシグ

アイクルシグは「前治療薬に抵抗性・不耐容の慢性骨髄性白血病、再発・難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病」が効能・効果。新世代のBCR-ABLチロシンキナーゼ阻害薬アイクルシグは、イマチニブ(グリベッグ)等の抵抗型で最も高頻度且つ難治性のT315I変異型にも著効している薬剤である。

ポナチニブの作用機序
無題
大塚製薬HPより

慢性骨髄性白血病/急性リンパ性白血病 ポナチニブが日本にて承認申請 ~グリベック等のBCR-ABL TKI抵抗性にも著効~

BRAF遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに対するタフィンラー/メキニスト併用をオーファン指定了承

上記のほか、ダブラフェニブタフィンラー)およびトラメチニブメキニスト)を希少疾病用医薬品に指定するか否かも審議・了承した。「BRAF遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん」を予定する効能・効果としている。対象患者数は430~2040人と推定される。

薬事・食品衛生審議会 医薬品第二部会の開催について

なお、免疫チェックポイント阻害薬PD-1抗体キイトルーダペムブロリズマブ)も同時に承認されているが、別記事として紹介している。

二番手PD-1抗体キイトルーダ メラノーマ適応で第二部会通過 / 米国では肺がん初回治療にてブレイクスルーセラピー認定

記事:可知 健太

×

リサーチのお願い


この記事に利益相反はありません。

会員登録 ログイン